脱出 ページ31
灰原「55.54.53…」
哀ちゃんのカウントダウンが部屋に響く。
灰原「49、48……」
バァアッン!!!
勢いよく開いた扉____そこには、私を抱え、ボロボロになった姿の黒木君。
若武「黒木っ!!」
美門「寿もっ…!」
黒木「…っだ、はぁ…はぁっ!!」
コナン「早く車にっ!」
黒木君は、再び走り出し、車の後部座席へドカッ!と座った。
立花「2人とも、大丈夫なのっ!?」
泣きそうな顔で見つめるアーヤ。
黒木「俺は大丈夫だけど、寿が酸欠、右肩と横腹を撃たれて重症だ。足も火傷してる」
上杉「俺が見る」
私の頰を、そっと優しく触る上杉君。
羽織っていた上着を破り、止血してくれた。
上杉「応急処置だ。あと、どっかで転んだか落ちたのか___右小指を骨折してるな」
小塚「寿は助かるの?」
上杉「…命に別状は無いと思うが…………助かるかどうかは五分五分だ。腹の方は浅いが、肩の方はほぼ弾が貫通してる…」
哀「37.36…」
もうすぐ30秒に近づいていた。
30秒になったところで、歩美ちゃんが数え始める。
歩美「30.29」
灰原「28」
光彦「灰原さん!」
カウントを止めない灰原哀。
コナン「おい、どうした!」
光彦「灰原さんがっ!灰原さんがカウントを止めないんですっ!!」
コナン「なにっ!?」
彼女は、此処で死のうと思っていたのだ。
死んだ姉の元へ行こうと____。
上杉「おいっ!ガキっ!!戻れ!」
哀「バカね。この方が正確でしょ」
上杉「何だとっ!?」
哀ちゃん………。
まさか、今回の襲撃は、貴方のせいでもあるとでも思ってるんじゃないでしょうね?
これ以上、皆を巻き込まないようにだなんて………思ってるんじゃないでしょうね?
A「………シェリー」
力を振り絞って、体を起こそうとするが、起きない____。
その時、車から元太君がパッと飛び出した。
元太「母ちゃんが言ってたんだよ!
米粒一粒でも残したらバチが当たるってなぁ!」
哀ちゃんを無理矢理抱き抱え、車の方へ走ってくる元太君。
そして、車に乗り込んだとき、コナン君がエンジンを踏んで車が動きだした。
歩美「3、2、1……ゼロっ!!」
ドカァァアンッ!!!
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?かなかな - すーーーっごくワクワクドキドキのシリーズでした!あと一つ、『KZの「ゼロ」番目は...。』で、君木君になってますが、『黒木君』なのでは? (2021年10月24日 10時) (レス) @page43 id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
なゆりのお話(プロフ) - とても面白かったし、読んでてドキドキわくわく、楽しかったです!ありがとうございました^^* (2021年5月16日 15時) (レス) id: d020fb2c9a (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - すっごく面白かったです!最初は少しずつ読んでいたけど、だんだんハマっていって、直ぐに最終回まで来ました。コナンくんが入って来た時は驚きましたが、より一層面白さが増しましたね。私もこういう作品が作れたらなぁ、って思います。他の作品も頑張って下さい! (2021年2月5日 23時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ - 読みました!!すごく面白かった!私は黒木君推しなので、夢主と結ばれて嬉しいです。他の作品も頑張ってください!! (2020年7月15日 14時) (レス) id: 16b103ae86 (このIDを非表示/違反報告)
みく - 奥様は取り扱い注意のセリフとか入っててよかった…感動しました! (2020年7月12日 20時) (レス) id: 0da8fcc3d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こはる | 作成日時:2020年1月9日 23時