アクセサリーは知っている下ー最終章ー【探偵チームKZ事件ノート】

気に食わない ページ13

安室「…前々から気に入らなかったんですよ。あの方のお気に入りというだけで、入って直ぐに組織の幹部になれ、1番年下のくせに、いつも涼しい顔をしてジンやベルモットの隣にいる貴方が____」


A「………っ」


安室「ボスや幹部に気に入られて、良い気になって、年上にも図々しい態度をとっていた。私の1番嫌いなタイプです。ですが、今はどうでしょう？いつもの、あの余裕のある態度や表情はどうしたんですか____？」


A「………バーボン。私は…」


安室「言い訳なんて結構です。私に勝てないと、貴方ならもう分かっている」


A「………っく」


安室「フッ……。その整った顔を歪められる日が来るなんて____。降参したらどうです？今なら、まだ組織に戻れるかもしれません。貴方だって人間です。友人を巻き込みたくないと思いませんか？」


A「………」


安室「これ以上、巻き込みたくないのなら、私に着いて…」


A「断るわ」


安室「………っ？」


A「私は組織には戻れない。戻っても、口封じをされるだけ。そんなの、ごめんだわ」


安室「友人を巻き込んででも抵抗すると言うんですか？」


A「違う……」


安室「では、何だと言うんですか？」


A「自分が何処まで組織に対抗できるのか、試したいだけよ。皆は巻き込まないわ」


安室「…！それだけの為に？」


A「ええ。そうよ。人生なんて1度きり。いつも、今この瞬間も、ぶっつけ本番で生きてる。未来がどうなるかなんて、誰にも分からない。だから、やってみなきゃ分からない。此処が、私の最後になるのなら、無謀なことでも、最後まで争い続けるわ」


そう言ったAの表情は、自信に満ち溢れていて、とてもカッコ良かった。


ほんの少しクセのある黒髪が、バサバサッと風になびく。


安室「その表情が、気に食わない____」


バーボンが、少しだけ歯をギッとくいしめる。


安室「貴方は…」


そこまで言いかけた時、ドカッ！と爆発音が聞こえた。


其方に目を向けると、ドアの隙間から黒煙と炎がチラチラと漏れている。







コナン「大変だっ！！早く避難しないと、此処も火の海と化すぞっ！！」


小さな男の子が、視界を腕で塞ぎながら叫んだ。


早く決着をつけなければいけないようだ。


Aは、スッと姿勢を正してから、ガッ！と手と足を前後に開き、姿勢を低くする。


それを見たバーボンも、瞳をキラリと光らせ、拳を胸の前に作った。

裏切り→←悪戦苦闘

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す