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4輪ー少年ー ページ5

「ちょっと待ち」


逃すまいと、無惨の手首を強く掴む。


「………何でしょうか?」


「あんた、どっかで私と会わへんかったか?」


悪魔的と言えるかもしれない挑んだ表情を眼に浮かべて、無惨に話しかける。


自分の手で殺したはずの女が生きていると知ったら、どんな顔をするだろうか。半年間、ずっとその事ばかりを考え、無惨が驚いている表情を想像する度に、つい口元がほころんだ。さぁ、驚け無惨。2年前に殺した女が、生きているぞ_____。


そう限りない喜びに満ちていた私だったが、無惨は眉をしかめて、ひどく鬱陶しそうな顔をした。


「どちら様でしょうか__?」


さえざえしていた気分が、沈みかけた秋の日のように陰ったりめいったりし出して、冷たい血がポンプにでもかけられたように脳のすきまというすきまをかたく閉ざす。顔には苦しい笑顔が凝っていた。


「お知り合い?」


無惨の隣を歩いていた品の高い女性が、鈴のような声で無惨に尋ねる。


「いいや。困ったことに、少しも………知らない子ですね。人違いでは、ないでしょうか」


「まぁ。そうなの?さっきの子も、そうだったみたいだけど……」


「………。行きましょう」


無惨は、人間のように優しく女性の肩を抱き、旋風のように身をひるがえして、人混みの中に消えていった。


「知らんやて……?」


あっけないほど、あっという間だった_____。まさか、こんな形で終わるとは。自分が思い描いていた展開と大きく異なる。無惨と再決戦し、頸を打ち取ることだけを想像していた自分が恥ずかしく思えた。


「貴様ら、何をしている!」
「酔っ払いか?離れろ!!」
「下がれ下がれ!どけ!!」


騒ぎを聞きつけた警官達が、人集りを縫うようにして、現場に向かう。私も、元鬼殺隊員として気になったので、その後ろに着いて行った。


向かった先には、1人の少年が男の上にまたがり、拘束している。いや…男と言っていいのだろうか。少年は、鬼を拘束していた。腰には鞘を身につけている。間違いない。この子は_____鬼殺隊。


「少年を引き剥がせ!」


「やめてくれ!!」


警官達は、痴話喧嘩だと思い、少年を鬼から引き離そうとする。


(あかん。今、引き離したら、此処で暴れ回るで………)


それだけは、ごめんだと思い、少年と警官の側へ寄った。

5輪ー運命ー→←3輪ー再開ー



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設定タグ:鬼滅の刃 , 鬼滅 , 鬼化   
作品ジャンル:アニメ
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こはる(プロフ) - はすたー教信者さん» いいえ。ご指摘ありがとうございます。私、よく誤字をしてしまうので指摘してくださって嬉しいです!次は間違えないように気をつけます!! (2020年1月4日 0時) (レス) id: 1ef8811650 (このIDを非表示/違反報告)
はすたー教信者(プロフ) - 雨四公ではなく雨四光では無いでしょうか そういう仕様でしたらごめんなさい (2020年1月2日 9時) (レス) id: 39e42d80c8 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - るぅさん» ありがとうございます!ひぇえ…。両方も………。友達ありがとう。私もその友達に感謝しかないです…。更新頑張ります! (2019年11月27日 15時) (レス) id: cdf5a56a51 (このIDを非表示/違反報告)
るぅ(プロフ) - こはるさん» こはるさんの作品は、ヒロアカと探偵チームkZ事件ノートの作品を読ませていただいてます。両方とも友達が「この人の作品面白いよ」と教えてくれたのがきっかけでした。友達には感謝しか無いです!これからもめっちゃ楽しみにしてるんで、頑張ってください! (2019年11月26日 20時) (レス) id: 40246c291e (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - るぅさん» 私の文を好んでくださって、ありがとうございます〜っ!楽しみだなんて言われて、すごく嬉しいです!!るぅさんは、褒め上手ですね笑。とても、やる気が沸いてきます。不定期ですが、更新頑張ります!! (2019年11月25日 22時) (レス) id: cdf5a56a51 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こはる | 作成日時:2019年11月24日 0時

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