3輪ー再開ー ページ4
東京府浅草_____。
無惨を探し続けてきて、半年。鬼になって、1年と8ヶ月が経った。
「……とうとう、東京にまで来てしもたか」
隣の埼玉から乗ってきた列車から、東京駅で下車した私は、街中のうどん屋で一息をついていた。
鬼としての人間の暮らしも、もう慣れたものだ。当初、不味くて食べられなかった人間食も食べられるようになったし、鬼特有の臭いも薄れてきて、中級以下の鬼殺隊員と町中ですれ違っても、気づかれない程度になってきている。鬼の生態に関しては、まだ多くの謎が残されているが、これも無惨の血のおかげなのだろうか_?
「ご馳走様」
「また来いよっ!」
私は店を出て、普通の人間と同じように、街を歩く。
「…んん。ちょっと疲れたかいなぁ」
此処に来るまで、数時間、体が列車に揺られたせいか、肩が重い。
今日は休んだ方がいいかな………。そう思って、体を休めようと、森がある方角に足を向けた時だった。
「キャーーッ」
行く先の方で、女性の悲鳴が聞こえる。
「あっ!!」
「何だ!」
「どうした!?」
周りにいた人間達が、何事かと思い、いっせいに目を向けた。
「………なんや?」
元鬼殺隊としての血が走ったのか、只の痴話喧嘩や揉め事ではないことが、すぐに分かった。人混みを掻き分けて、現場へと向かう。しかし、向かう途中、耳を疑う名前が聞こえた。
「鬼舞辻無惨!!俺はお前を逃がさない。何処へ行こうと…!」
………鬼舞辻無惨?
「地獄の果てまで追いかけて、必ずお前の頸に刃を振るう。絶対にお前を許さない!!」
誰かが、そう言ったと同時に、無惨らしき男が、小さな女の子を胸に抱え、女性と共に、私の横を通り過ぎていく。
白い帽子を被り、上物の服を着て人間の格好をしているが、見た目は2年前、遭遇した時と変わらなかった。特に、目が合っただけで命を吸い取られてしまいそうな、あの赤い目は。
やっと見つけた__。
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こはる(プロフ) - はすたー教信者さん» いいえ。ご指摘ありがとうございます。私、よく誤字をしてしまうので指摘してくださって嬉しいです!次は間違えないように気をつけます!! (2020年1月4日 0時) (レス) id: 1ef8811650 (このIDを非表示/違反報告)
はすたー教信者(プロフ) - 雨四公ではなく雨四光では無いでしょうか そういう仕様でしたらごめんなさい (2020年1月2日 9時) (レス) id: 39e42d80c8 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - るぅさん» ありがとうございます!ひぇえ…。両方も………。友達ありがとう。私もその友達に感謝しかないです…。更新頑張ります! (2019年11月27日 15時) (レス) id: cdf5a56a51 (このIDを非表示/違反報告)
るぅ(プロフ) - こはるさん» こはるさんの作品は、ヒロアカと探偵チームkZ事件ノートの作品を読ませていただいてます。両方とも友達が「この人の作品面白いよ」と教えてくれたのがきっかけでした。友達には感謝しか無いです!これからもめっちゃ楽しみにしてるんで、頑張ってください! (2019年11月26日 20時) (レス) id: 40246c291e (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - るぅさん» 私の文を好んでくださって、ありがとうございます〜っ!楽しみだなんて言われて、すごく嬉しいです!!るぅさんは、褒め上手ですね笑。とても、やる気が沸いてきます。不定期ですが、更新頑張ります!! (2019年11月25日 22時) (レス) id: cdf5a56a51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こはる | 作成日時:2019年11月24日 0時