26輪ー朝食ー ページ27
「ほな。伊之助はそこな」
涼しい笑顔で返すと、伊之助は悔しそうに「ムキーっ!!」と奇声をあげ、青い髪をクチャクチャと両手で掻き回す。
「二人は何処にする?」
首を傾げて聞くと、炭治郎は私の隣に、その奥には善逸。
「Aさんの隣が良かったよぅ…。炭治郎、変わってくれよぅ……っ!」
「駄目だ善逸。お前だけは絶対に!!」
「炭治郎ぅーっ!炭治郎ぅーっ!」
駄々をこねる善逸。善逸を
幸福に満たされていると、いつの間にか眠りに落ちていた。
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翌朝_____。
「伊之助、箸使って食べって、昨日も言うたやろ?」
「うるせぇっ!俺は山育ちなんだ。箸の使い方なんざ、知るかっ!!」
部屋で朝食をとっていた私達。伊之助は食べ方がめっぽう汚く、飯でも汁でも何でも手掴みで食べ、食べ物を噛んでいる時も、口は開けっぱなしなので、たまにボロッと中から落ちてくる。
(これはガミガミ言えば言うほど効かんやつやな……)
伊之助に口出しすることを辞めた。多分、何も言わずに、目の前で手本を見せていれば、いつか見様見真似で箸を使い始めるだろう。「箸の使い方、俺にも教えろっ!!」なんて言って来そうな気もするけどね……。
「……炭治郎」
一足早く食事を終えた善逸が、箸を茶碗の上に置き、真っ直ぐ炭治郎の目を見る。
「誰も聞かないから俺が聞くけどさ、鬼を連れているのはどういうことなんだ?」
「………」
気づいていたのか____。
ヘタレな部分が目立つ善逸だが、やはり鬼狩りと言ったところだろう。
私も箸を盆の上に置き、両手を膝の上に乗せる。
「気づいとったなら、何で黙っとったん?」
茶碗を見つめながら尋ねると、善逸は凛とした声で返事をした。
「
「………」
幸福が、水の油を落としたように一面に広がる。
「善逸は本当にいい奴だな。ありがとう」
炭治郎が礼を言うと、善逸はドッ!と床に体を打ちつけ、照れ隠しをした。
「俺は鼻がきくんだ。最初から分かってたよ。善逸が優しいのも強いのも」
「いや強くはねぇよ、ふざけんなよ」
炭治郎が褒めているのに、それに腹を立てる善逸。可笑しくて、思わず吹き出してしまった。すると____。
カタ…カタカタ…。
部屋に隅に置いていた木箱が微かに揺れ始めた。
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こはる(プロフ) - はすたー教信者さん» いいえ。ご指摘ありがとうございます。私、よく誤字をしてしまうので指摘してくださって嬉しいです!次は間違えないように気をつけます!! (2020年1月4日 0時) (レス) id: 1ef8811650 (このIDを非表示/違反報告)
はすたー教信者(プロフ) - 雨四公ではなく雨四光では無いでしょうか そういう仕様でしたらごめんなさい (2020年1月2日 9時) (レス) id: 39e42d80c8 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - るぅさん» ありがとうございます!ひぇえ…。両方も………。友達ありがとう。私もその友達に感謝しかないです…。更新頑張ります! (2019年11月27日 15時) (レス) id: cdf5a56a51 (このIDを非表示/違反報告)
るぅ(プロフ) - こはるさん» こはるさんの作品は、ヒロアカと探偵チームkZ事件ノートの作品を読ませていただいてます。両方とも友達が「この人の作品面白いよ」と教えてくれたのがきっかけでした。友達には感謝しか無いです!これからもめっちゃ楽しみにしてるんで、頑張ってください! (2019年11月26日 20時) (レス) id: 40246c291e (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - るぅさん» 私の文を好んでくださって、ありがとうございます〜っ!楽しみだなんて言われて、すごく嬉しいです!!るぅさんは、褒め上手ですね笑。とても、やる気が沸いてきます。不定期ですが、更新頑張ります!! (2019年11月25日 22時) (レス) id: cdf5a56a51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こはる | 作成日時:2019年11月24日 0時