13輪ー呪いー ページ14
「炭治郎!」
私は炭治郎の肩を担ぐ。
「禰豆子…。早く行かなければ。ゼィ…ハァ、ハッ………」
「そんな体や、もう無理や!」
(………ごめんな。炭治郎)
その台詞が言えなかった。自責の念が激しく迫り、口が開けなかったのだ。喉に思い
「ギャァアッ!!ぐぅうっ………」
炭治郎と共に、禰豆子ちゃんたちの方へ向かって行ると、悲鳴と苦渋の声が聞こえてきた。きっと
何かがおかしい_____。
バキ……!!ゴキ!グッ!グシャッ!ベキッ!
鈍い音が辺りに響き、目を疑う光景広がる。
鬼の体内から図太い手が生えてきて、頭や腕、腹、脚……全てを潰し、消し去ったのだ。これは、一体…。
「………死んでしまったんですか?」
炭治郎が蒼白した顔で、近くにいた珠世さんに尋ねる。
「間もなく死にます。これが呪いです。体内に残留する鬼舞辻の細胞に肉体を破壊される」
「………」
呪い。全ての鬼にかかっていると言われている鬼舞辻の呪い。自分もいつか…あの鞠の鬼のようになってしまうのかと思うと、身がすくんだ。珠世さんによると、鞠の少女は、
「ま…り…。ま……り…」
蚊の鳴くような弱々しい声で、鬼が呟くと、炭治郎は静かに鞠を置いてやった。この子も元は人間。きっと自分達より年下の子供だったであろうに、鬼にされ、こんな最後を迎えるなんて………。本人は十二鬼月だと言っていたが、目には彼ら特有の数字が刻まれていなかった。おそらく、無惨に十二鬼月だとおだてられ、騙され戦わされて………。可哀想だ。
無惨がいなければ、この子は普通の暮らしを送っていただろう。そう考えると、胸が痛くなった。
「……!!麓山讞さん、早く影に!!」
鬼の子を葬っていると、朝日が差しかけていた。その光が、金箔を巻いたように輝き、私を照らす。
「麓山げ…!!」
「大丈夫やで」
私は日に当たっていたが、灰化しない。平然としている私を見て、炭治郎が目をギョッとさせる。
「そないに驚かんでも」
フフッと笑うと、炭治郎は大声で「なんでぇえ!?」と言った。その驚きの顔が面白くて、今でも忘れられない。
112人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こはる(プロフ) - はすたー教信者さん» いいえ。ご指摘ありがとうございます。私、よく誤字をしてしまうので指摘してくださって嬉しいです!次は間違えないように気をつけます!! (2020年1月4日 0時) (レス) id: 1ef8811650 (このIDを非表示/違反報告)
はすたー教信者(プロフ) - 雨四公ではなく雨四光では無いでしょうか そういう仕様でしたらごめんなさい (2020年1月2日 9時) (レス) id: 39e42d80c8 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - るぅさん» ありがとうございます!ひぇえ…。両方も………。友達ありがとう。私もその友達に感謝しかないです…。更新頑張ります! (2019年11月27日 15時) (レス) id: cdf5a56a51 (このIDを非表示/違反報告)
るぅ(プロフ) - こはるさん» こはるさんの作品は、ヒロアカと探偵チームkZ事件ノートの作品を読ませていただいてます。両方とも友達が「この人の作品面白いよ」と教えてくれたのがきっかけでした。友達には感謝しか無いです!これからもめっちゃ楽しみにしてるんで、頑張ってください! (2019年11月26日 20時) (レス) id: 40246c291e (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - るぅさん» 私の文を好んでくださって、ありがとうございます〜っ!楽しみだなんて言われて、すごく嬉しいです!!るぅさんは、褒め上手ですね笑。とても、やる気が沸いてきます。不定期ですが、更新頑張ります!! (2019年11月25日 22時) (レス) id: cdf5a56a51 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こはる | 作成日時:2019年11月24日 0時