アホ毛 ページ30
フィーロ「重・・・でも」
重みを堪えたフィーロはフィトリアさんの片方の翼を蹴り上げ、跳躍する。
全身を使った回転蹴りがフィトリアさんの顔面に決まったかと思えたが、フィトリアさんの纏う風の衣がフィーロを吹き飛ばして蹴りは空を切った。
さっきから、見てて思ったけど、フィーロが軽くあしらわれている。
勝ち目のある相手じゃない。
フィーロ「負けないもん!」
ぶわっと全身の羽毛を逆立たせた。
フィーロ「はい――くいっく!」
弾丸のように飛び出したフィーロがフィトリアさんに向って一直線に向ってく。
さすがのフィトリアさんも驚きに目を大きく広げた。
バッと大きく、一歩だけ下がり、そして・・・。
決着が付いた。
フィトリアさんが大きく広げた翼を一箇所に・・・まるで両手で叩く様に、言い方を変えれば素手で蚊を潰すようにフィーロはフィトリアさんの翼に押さえられてしまった。
フィーロ「きゅう・・・」
目を回しながら、フィトリアさんが翼を開けるとボトリと零れ落ちる。
フィーロ・・・!
私はシュタッとフィーロの元へ駆け寄った。
A「大丈夫?フィーロ」
フィーロ「うーん・・・」
私が駆け寄って揺すると目を回していたフィーロは我に返る。
そしてキョロキョロと辺りを見渡して項垂れた。
フィーロ「フィーロ負けちゃった。すっごく手を抜かれてて、手も足も出なかった」
むくれるフィーロにフィトリアさんはクエクエと鳴いた。
フィーロ「ごうかく? 何が?」
フィトリアさんはプチンと冠のような頭の羽を一枚抜いてフィーロに放る。
すると羽根は淡い輝きを宿してフィーロの頭に乗っかる。
まるではじけるように羽根は四散し、フィーロの頭にアホ毛がぴょこんと立ち上がった。
全員「「「……」」」
私たちは沈黙する。
何かしら・・・?あれ・・・。
メルティ「フィーロちゃん可愛い!」
メルティさんは何か興奮気味にフィーロを褒め称えているけど、当人は何が起こったのか分かってない感じだ。
フィーロ「何があったの?」
A「えっと・・・」
私が頭を指し示すとフィーロは恐る恐る自身の頭の輪郭に触れる。
フィーロ「なんか変なの生えた!やー!」
ブチン!と思いっきり引き抜く。
フィーロ「いたーい!」
痛がりながらもアホ毛を抜いてご満悦のフィーロ。
しかし、ピョコンと抜いたその場からアホ毛が新たに立ち上がった。
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ましろ(プロフ) - あともし良かったら、夢主ちゃんと練くんが告白してから結婚するまでのお話を書いてくれたら嬉しいです! (2022年9月30日 4時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - 最初から最後まで最高でした!練くんと松岡さんが大好きだし練くんの夢小説って全然無いからこの作品を作ってくれてありがとうございます! (2022年9月30日 4時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - 紅葉さん» わあ!ありがとうございます!2日に1回っ!?この小説は毎週金曜日に更新なので、そんなに見にこなくても大丈夫ですよっ!すごく嬉しいですけど笑笑 (2019年5月31日 19時) (レス) id: 94ad7ccae9 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - 華鈴さん» ありがとうございます!更新、頑張りますねっ! (2019年5月31日 19時) (レス) id: 94ad7ccae9 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - ずっと始まったときからこのお話が大好きです!2日に一回は必ず覗きに来てます!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年5月27日 0時) (レス) id: 11c5b4fadd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こはる | 作成日時:2019年5月24日 19時