俺と付き合わない? ページ39
皆を送り届けた後、最後に私と黒木くんだけが残った。
これは、いつものパターン。
黒木くんの家の前まで着いて、黒木くんを降ろす。
家の門に入る際、黒木くんは悲しそうな目で言った。
黒木「寿。無理はするなよ。俺たち、探偵チームは抜けても友達だろ」
酷いことをしても、優しく接してくれる黒木くんに涙が出そうだった。
私は悟られないように、笑顔を作る。
A「ありがとう。でも、今回の件で、皆は私を信用しなくなっただろうね。黒木くんだって、そうでしょ?」
黒木くんは口をつぐむ。
ほらね。
大抵の子は、私を危険人物とみなすと軽蔑した目で見る。
所詮、KZもその程度だったってことだ。
A「じゃ」
私が車に乗り込もうとすると、黒木くんが引き止めた。
黒木「待てよ」
A「・・・何?」
私がワザと鬱陶しそうな感じで言うと、黒木君は真っ直ぐ目を見て言ってくれた。
黒木「俺、お前のこと好きだから」
え?
私は、目を見開く。
黒木「今まで出会った子とは、全然違う子で・・・。最初は全然興味なかったけど、寿を知っていくうちに、気づいたら惚れてた」
照れ臭そうに言う黒木くん。
そして真剣な表情をした。
黒木「寿、俺と付き合わない?そうすれば、寿の抱えてる負担も少しは楽になるかもしれない。男として力になりたいんだ。助けたいんだ」
黒木くん・・・。
あんなに酷い態度を取っても、好きでい続けてくれたんだね。
でも、貴方を組織には関わらせたくない。
だって、私も好きだもん。
好きで相思相愛なのに付き合えない。
なんだか・・・辛いな。
私はフッと微笑んだ。
A「ごめんなさい。でも、私も黒木くんのことが好きだよ」
黒木くんは少し大きな声を上げる。
黒木「じゃあ、付き合えばいいじゃん。何でだよ。俺、危険なこととか慣れてるから。どんな事でも構わない」
必死になる黒木くんに、私は静かに首を横にふった。
黒木「・・・俺じゃ、何も出来ないって言いたいのか?」
不安げな表情をする黒木くんに、出来るだけ優しい声で言う。
A「そうじゃない。黒木くんは強いと思う。でも、その力は、力のない人に使うべきだよ。それに、私、戦闘の時は基本、単独派なの。私より、もっと守ってあげなきゃならない子がいるんじゃない?例えば・・・プリンセスとか」
プリンセスというのはアーヤのこと。
アーヤは可愛くて、女の人らしいから、プリンセスがぴったりだと思って。
すると、黒木くんは腹立たしげな顔をした。
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?かなかな - あれ?落ち、誰か決まってますかね?私、美門君の考え方、原作を読んですーーーっごく尊敬しております。そんな美門君を夢主とくっつけるのは、ありではないですか? (2021年10月23日 16時) (レス) @page28 id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
みるくストロベリー - やばいです!!好きなお話がコラボとかほんとヤバい...これからも頑張ってください!! (2020年7月8日 22時) (レス) id: 9d5389f299 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - 橘美月さん» ご指摘ありがとうございます!直しました! (2019年8月22日 17時) (レス) id: 849432498b (このIDを非表示/違反報告)
橘美月(プロフ) - KZと組織との接触のところで、警視庁になってるんですけど、キュラソーがノックリスト盗んだの警察庁です。直していただけるど幸いですよろしくお願いがいします (2019年8月22日 17時) (レス) id: 5e15558c97 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪姫 - 私は、翼が好きなの…だから、落ちはそっちの方がいいと思ったけど… (2019年7月27日 22時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こはる | 作成日時:2019年6月8日 0時