射的 ページ19
立花「トイレ、長がったけど、大丈夫?お腹、痛かったの?」
心配してくれたアーヤだったが、私はまた何でもないと言った表情で返す。
A「全然、そんなことないよ。トイレに行こうと思ったら、電話がかかってきて、それに出てて遅くなっただけ。心配かけてたなら、ごめんね」
アーヤはホッとした表情になってくれたけど、黒木くんは一層、私に疑いの目を向けた。
まずいな。
黒木くんは前々から警戒してたけど、まさか、ここまで鋭いとは・・・。
いや、黒木くんだけじゃない。
アーヤ以外の全員が私を不審に思い始めている。
怪しまれるだけで、終わって欲しいけど・・・。
嫌な空気の中、私たちは再入場して、再び園内を遊び歩く。
すると、アーヤが何やら物欲しそうな目である場所を見ていた。
それに気づいた美門くんが、アーヤに話しかける。
美門「あれ、欲しいの?」
美門くんに気づかれて、ハッとしたアーヤは顔を赤くする。
アーヤって直ぐに顔や行動に出るから、素直でいいよね。
アーヤが見つめていた場所は、射的屋の景品で置いてあったピンクの兎のぬいぐるみだった。
美門「取ってあげる」
そういうわけで、美門くんを先頭に私たちは射的屋へ。
私と黒木くん以外の男達はアーヤを喜ばせようと、必死に弾を当てようとするが、なかなか当たらなかったり当たっても弾かれたり・・・。
しまいに、男達はインチキだのああだのこうだの言い出したので、見兼ねた私はお金を払って、弾のコルクを片手に持ち、射的銃を構える。
若武「おいおい、辞めとけ。俺たち4人がかりでも無理だったんだから、諦めろ」
上杉「若武の言う通りだ。この店はインチキだっ!」
2人の言うことに、射的屋に居たスタッフさんは困ったような顔をした。
その様子を見る限り、インチキではないのだろう。
ただ男達が下手くそなだけだ。
私はカチャリとスライドを引いて、的を目当ての兎へ定める。
A「いい?射的は、こうやってやるものなの」
そう言った直後、私は引き金を引いた。
コルクは兎のおでこに当たり、そのまま後ろへ真っ逆さま。
スタッフさんがカランカランとベルを鳴らし、落ちた兎を取ってくれて私に渡してくれた。
「おめでとうございます!可愛い兎さんです。どうぞ!」
受け取った景品を片手に、私は皮肉な笑みを浮かべ後ろにいた若武くん達に言った。
A「下手くそ」
黒木くん以外の男達はムッとしたような表情を浮かべる。
けど、誰も言い返してこなかった。
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?かなかな - あれ?落ち、誰か決まってますかね?私、美門君の考え方、原作を読んですーーーっごく尊敬しております。そんな美門君を夢主とくっつけるのは、ありではないですか? (2021年10月23日 16時) (レス) @page28 id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
みるくストロベリー - やばいです!!好きなお話がコラボとかほんとヤバい...これからも頑張ってください!! (2020年7月8日 22時) (レス) id: 9d5389f299 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - 橘美月さん» ご指摘ありがとうございます!直しました! (2019年8月22日 17時) (レス) id: 849432498b (このIDを非表示/違反報告)
橘美月(プロフ) - KZと組織との接触のところで、警視庁になってるんですけど、キュラソーがノックリスト盗んだの警察庁です。直していただけるど幸いですよろしくお願いがいします (2019年8月22日 17時) (レス) id: 5e15558c97 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪姫 - 私は、翼が好きなの…だから、落ちはそっちの方がいいと思ったけど… (2019年7月27日 22時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こはる | 作成日時:2019年6月8日 0時