好き1 ページ2
雄英高校
そこが私の目指す場所
受かる確率は凄く低い
それでも諦めたくなかった
いや、諦めることを許されなかったのだ
「A！おい、行くぞ！」
『あっ、ちょ、待って！勝己くんっ！』
中学校に入って親しくなった彼に、
もう何百回も“諦めるな”と言われた
何故、と聞いても、何でもだ、と返されるばかりで
私は反抗する気にはならなかった
実際、ヒーローにはなりたかった
なれる、と勝己くんは言ってくれているのか
それとも私をバカにしたいのか……
定かではなく、ただ彼の後ろ姿を追うこと、
彼の傍にいられること……それだけが、
私の存在価値だった
「……ちゃんと勉強してんのか」
どうして私なんかをこんなに構ってくれるのか、
いつまでたってもわからないままで
『………うん』
私が返せる言葉は、それしかない
なんと言うボキャブラリーの少なさ……
「………」
でもやっぱり、話せずにバイバイ、
また明日、はあまりにも寂しい
だから、私も何か話さないと、と
簡単で……会話を終わらせるには
時間のかからない話だが、勇気を出して持ちかける
『雄英、行けるかなぁ……』
そんなつまらない言葉でさえ、
勝己くんは私に答えてくれる
「行けんだろ、お前なら」
彼の少し後ろを歩く私は、足を止めてしまった
同時に勝己くんが肩越しに私を見た
紅い……綺麗な瞳は私だけを見る
『……ありがと………』
恥ずかしくて少し俯き気味に目をそらす
勝己くんはそんなことお構いなしに私の顔を覗き込んだ
うわぁ……格好いいなぁ
月とすっぽんとはこの事か
なんて今更自分の容姿が悲しくなった所で、
勝己くんが真剣な顔をして言った
「諦めてねぇだろうな？」
『諦めてないよ。ちゃんと頑張ってる』
私が苦笑いで答えると、ふんと鼻を鳴らし、歩き始めた
「なら……いい」
『そっか』
私は、笑った
勝己くんは私の前を歩いてるから、見えてないけど
しばらくすると、勝己くんの家についた
「……じゃ、また」
彼は私に小さく手を振り、言った
毎日、そうだ
そして、私も毎日
『またね、勝己くん』
と、踵を返す
私の家は中学校から遠い
いつもここからは一人だ
寂しくはない
寧ろ落ち着く
でも、今日は………
一人とはいかない模様
・
勝己くんの家から離れた、人気の少ない見慣れた道
そこにあなたは、現れた
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星無優凍(プロフ) - にゃんこＭさん» 本当ですか！！？？めちゃくちゃ嬉しいです！ありがとうございます。これからも頑張ります！ (2019年12月9日 19時) (
レス) id: 4137a2b23b (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこＭ - オーバーホールかっこいい！！このお話好きです。頑張ってください (2019年12月9日 17時) (レス) id: 5f9b6ccd05 (このIDを非表示/違反報告)
星無優凍(プロフ) - ちつかさん» ありがとうございます!たいへん嬉しいです！ (2018年12月17日 18時) (レス) id: 2dc8ad8af7 (このIDを非表示/違反報告)
ちつか - いいですね~ (2018年12月16日 18時) (レス) id: c864c21ee8 (このIDを非表示/違反報告)
星無優凍(プロフ) - まっちゃオレさん» なんですかとつくぐらい喜んで頂けて嬉しいです！オーバーホール格好よくできてますか！よかったです！更新なるべく毎日頑張るようにしてますが、難しい時もあるので、そこはご了承下さいませ。頑張りますね！ (2018年2月7日 19時) (レス) id: 2dc8ad8af7 (このIDを非表示/違反報告)
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