True love2

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広行「結婚…自由にさせてやれなくてごめん」


「…っ」


広行「だけど覚えていて。
愛してるよ、A。」


「ぱぱ…っ」


広行「結婚して屋敷を出ていったら寂しくなると思ったけど、良かった。
…離れにするのは大歓迎だよ」


「っ、ありがとう！」


広行「それに、最後のワガママだなんて言うなよ。
父親っていうのは、可愛い娘のワガママなら叶えられるだけ叶えてやりたいものさ」





ぱぱは、わたしが思っていたよりずっと
わたしのことを愛してくれていて、
わたしのことが大切なんだ。




「ぱぱ、大好き」


広行「はは、久しぶりに言われたなぁ。
嬉しいよ。ありがとう」





“ぱぱ、大好き”
これは昔、毎日言っていた言葉。


思春期に入ってからは、
あまり口に出すことはなかったけど、
ぱぱのお誕生日だったり、
特別な日はちゃんと気持ちを伝えていた。


だけど、音大を反対された時からかな。
口に出すことはなくなった。
だから今日、何年ぶりに発した言葉だった。


そう、わたしとぱぱの間を隔てていた見えない壁が静かに溶けていくのを感じた。

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