True love2

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剛典「お待たせしました」


「いえ、私も今来たところですから」





バレンタインの数日後。
私はとある高級レストランに呼び出されていた。


最近はこうやってちょくちょく剛典さんと会っているんだけど、会う回数を重ねるうちに最初ほどは剛典さんへの抵抗が無くなっていた。





剛典「Aさんは
もうすぐ卒業式ですね」


「ええ。大学生生活も残りあと約１ヶ月になってしまいました」


剛典「卒業式には袴を着られるんですか？」


「そのつもりです」


剛典「Aさんお綺麗だから、きっと袴も似合うんでしょうね」


「卒業式の日、剛典さんのお家に卒業のご挨拶をしたいんですけど...袴で。ご迷惑じゃなければ、お伺いしても宜しいですか？」


剛典「ぜひ来てください。
袴姿、楽しみにしてます」





爽やかな笑顔で笑いかけてくる王子様。


私は剛典さんの弱音も辛そうな顔も見たことがない。


結婚して一緒に暮らしても、
そんな姿を見ることはないんじゃないかと思う。




もしかしたら、昔は今の結人みたいに素の自分を出せずに辛い時期があったのかもしれないけど、剛典さんはそういうのも全部、もう乗り越えてしまったんだろうな。





剛典「今日、髪の毛ストレートなんですね」


「ええ、剛典さんと会う時にこの髪型にしたの初めてかな」


剛典「はい、初めて見ました。
普段と雰囲気違って素敵ですね」





ほらね、サラッと褒めてくれる。


完璧な大人。




完璧すぎるほどに。

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