True love2

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２月１４日。


バレンタイン当日。





「よし、やるぞ！」





屋敷にいくつかあるうち、
いちばん大きなキッチンで腕捲りした。





「敬浩は手出しちゃダメよ？
わたしがひとりでやるから」


敬浩「分かってます」


「でも、ほんっとうにピンチになったらその時は助けて？」


敬浩「はいはい」





敬浩と練習した時のように、
ボウルに材料を入れて、混ぜる。


生地を伸ばして、型抜き。





敬浩「あ、そうだ。
いいものがあるんだ〜」


「なに？」


敬浩「これ」





敬浩の手の平には、ハートの形をした銀色のもの。





敬浩「ハートの型抜き器♡」


『それでハート型のクッキーが作れるってこと？』


敬浩「そうそう。
全部丸のクッキーじゃつまんないでしょ？
これ使いなよ」


「うん、使う。
ありがとう」


敬浩「どういたしまして〜」





ハート型にくり抜いてみると、
とっても可愛くて自然に口角が上がっていた。





「終わった〜」


敬浩「じゃあ、後は焼くだけだね」





オーブンに入れて、スイッチを押しても、
なんだかその場を離れたくなくて焼かれるクッキーをずっと眺めていた。

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