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A｢あの時…
もうこれで。貴久の為に餃子作るの…最後なんだなって思ってた」
．
あの時…
ｵﾚが思い出したあの日のこと。
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A｢貴久と毎日ｹﾝｶばっかしちゃって。
好きなのに…もう…毎日辛くって。
いつかは別れなきゃいけないって思ってた」
増田｢…。」
．
A｢卒業旅行なんか行く気分じゃなかったし。
楽しくみんなで、なんて思えなかった」
増田｢…。」
.
．
A｢…でも、楽しみにしていた旅行を我慢してるんだから…これで貴久と。
元通りになれないかなーとも思ってた。」
増田｢…」
．
A｢…何か1つ我慢したら…
お願いごとが1個。叶えてくださいって小さい頃よく星を見ながら思ってた事があってね？」
増田｢…」
．
A｢餃子を作りながら、その日のことを思い出したの」
増田｢…そっか」
．
．
Aは何かを思い出すように。
ゆっくり…優しく話してくれる
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あの時…。
Aはそんなことを考えながら
旅行にも行かずここでずっと餃子を作ってた
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あの餃子…上手く焼けなくて。
皮はﾋﾞﾘﾋﾞﾘで、焦げ付いちゃったし
Aが作るみたいに羽の付いた美味しそうな焼き上がりとは程遠いものだった
それでも味はものすごく美味しくて
やっぱり50ｺくらいあった餃子はすぐになくなって
一緒に食べた手越も｢A、料理上手いじゃん!!」って褒めてくれたんだっけ…
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A｢だから今日も。何かを我慢したら…貴久が帰ってくるかなって考えてたよ」
増田「なにか…我慢したの？」
A「うん♪…」
増田｢…なに？」
A｢…秘密♪」
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ｵﾚの腕をﾎﾟﾝﾎﾟﾝって叩いて、「餃子…焼くね」ってAはｵﾚの腕の中から抜け出そうとしてた
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ｵﾚはそれを許さず｢A」って名前を呼び
白くてｷﾚｲなうなじに唇を這わす
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増田｢…餃子…我慢するから…」
A｢…」
.
増田｢…」
A｢…」
．
増田｢…Aを抱きたい…」
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作者名：Milk-T
| 作成日時：2017年11月30日 20時
