小悪魔☆ハニーvol.29《T.MASUDA》

story1388＊YUYA.T ページ38

手越side…







．





ｵﾚは何も言えなくて
寝室のﾄﾞｱを閉めた。









しばらくして聞こえたのは

彼女の泣き声…









ｵﾚは…腰が抜けるって言うのかな。
そのままﾌﾗﾌﾗとｿﾌｧまで歩き…





立ち上がれなかった。





．





…ｽﾄﾝ。と座ったまま
何にもできないし…考えられない。









…手が震えちゃって。
ｽﾏﾎすら持てなかった。









.





どのくらい待たされたか…









ｶﾁｬﾘとﾄﾞｱの開く音がした。






振り向くこともできず
ただﾎﾞ-...っとｻｯｶ-番組を見てた









大好きなｻｯｶ-すら頭に入ってこないなんて
…これは一大事w









．






ﾐﾕｷ「祐也…」









いつものその声にうつむく。









ﾐﾕｷ「…ｱｲｽｺ-ﾋ-でいいよね」









「雄大ｻﾝは…？」って。
ﾐﾕｷが聞くと「…同じでいいよ」って優しい声で話してるのが聞こえてきて

「あー…夢なんかじゃねーんだな」と…。









……。









だけどまだ…受け入れられないくて
もう一度2人の姿を見るなんて出来ない








のに…









ﾐﾕｷ「どうぞ」









ｺﾄﾝ...。








机の上に置かれたｸﾞﾗｽ。
そして…
ｵﾚの視界を遮らないように座るﾐﾕｷと…男。


.


『ｻｯｶ-観てる時は邪魔しないで』





．









確かそんな偉そうなこと…言ってたな。








…。









長い間…誰も話さなかった









正直に言えば声が出なくて…
話そうとすることすら面倒くさくて。

普通に呼吸できてるのかさえもわからないくらい。









．




「あの…」と。
話しかけてきたのは男で…

「今からPK」って
話を止めたのはｵﾚ。









そして”ﾋﾟｯ..”っと言う音とともに
画面は真っ暗になり…

情けないほどうなだれてるｵﾚが
画面に映ってて…すげー…ｶｯｺ悪い。









．







千葉「先ほどは大変失礼いたしました」









…ﾎﾝﾄ。失礼もいいとこ。
彼女の浮気現場を目撃するなんてね…








千葉「僕は…ﾐﾕｷさんと同じ病院で働いている千葉。と言います。」









同じ病院で…
ふーん…看護師仲間か。









ﾐﾕｷ「あのね祐也。私…」

千葉「…手越さん。

僕とﾐﾕｷさん。
…本日婚約させていただきました」








…婚約。









…婚約⁇








手越「えっ…」






．





千葉「僕たち結婚します」

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