最愛2

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岸side





海「紫耀、調子悪いかも」






朝いつも通り紫耀の様子を見に行った海人が不安そうな顔をしてでてきた。




岸「わかった、すぐ行く」










岸「Aー今日ね、パパねんねの日なんだって。だからあんまりうるさくしちゃダメな？」


「わかったあ！」


岸「偉いな〜！じゃあ俺パパの様子見てくるからテレビ見て待っててね」


「ｺｸ」













岸「紫耀おはよう。体調どんな感じ？」


紫「きし、く、」


岸「ごめんごめん、喋るのきついね。手でお話しよっか」



紫耀が俺の手を握って、俺の質問に対する答えがYESなら手に力を入れてＮＯなら何もしない。



この方法なら疲れにくいから、体調悪い日はこうやって会話することが多いんだ。







岸「ご飯は食べれそう？」


紫「、、」



岸「ベッドから起き上がるのしんどい？」


紫「、、ｷﾞｭ」




岸「うん、じゃあ今日はリビング行くのやめとこっか」


紫「ご、め」


岸「謝んないの、なんも悪いことしてねぇんだから」


海「俺Aに朝ごはん食べさせてくるね」


岸「おう、さんきゅ」











紫「っ、ん、ぃ」


岸「ん？どうした？」


紫「はぁっ、いた、」


岸「痛い？どこ痛い？」



紫「わか、な、、はぁっ、」



岸「大丈夫大丈夫、怖くなっちゃったな。薬持ってくるからちょっと待ってて？」


紫「ｺｸ、」







体に痛みが出るのは、末期ガンの症状のひとつ。

紫耀の場合もうこの痛みを和らげる薬だけを飲んでるんだけど、最近どんどん飲む量が増えてきてるんだよね。











岸「そのうち痛いのなくなるから。それまで体摩ってよっか」


紫「ｺｸ、あり、、と」


岸「寝れそうなら寝とけよ？」


紫「ん、、っはぁ、」







紫耀の辛そうな表情を見ると、つい目を逸らしたくなる。




俺が代わりになれたらいいのにって

こんなことは何度も考えた。



でも現実そんなこと出来ないでしょ？






だから決めたんだ。

紫耀の代わりにはなれなくても、紫耀の辛さをできる限り減らす努力はできる。



こうやって体摩ったりマッサージしたり

医者じゃないからこんなことしか出来ないけど、俺に出来ることならなんでもする。











紫「ｽｩｰ、、ｽｩｰ、」



岸「寝れたか、よかった」








俺の願いは一つだけ。






せめて



最期は苦しまずに過ごして欲しい。







それだけなんだ。

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