交際を前提に友達になりました.2【桃】 (ページ12)

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「これなんてどう？」

「…ウン、イイトオモウ」

「絶対思ってへんやんw」

フラフラっと入ったお店は可愛らしい服がズラっと並んでいる

普段なら絶対に入らないようなお店だ

「着てる自分が想像できない」

「試着してみたらええやん」

私が戸惑ってる間にジェルくんが店員さんに声をかけて、試着室に案内してくれた

そのまま服と一緒にカーテンの中に入れられる

普段着ないタイプの服をジッと凝視する

まぁ、そんなことしてても無駄な時間が過ぎるだけなので、諦めて私は着替え始めた

「着替え終わった？」

「え、見るの！？」

「え、見せてくれへんの！？」

カーテン越しに掛けられた声に私はびっくりした

自分で着て似合わないことを確認したら着替えようかと思ってたのに、ジェルくんにそう言われて私は渋々カーテンを開けた

「…どう？」

「めっちゃ可愛いやん！
あんまり着てる印象にないタイプの服やけどすっごい似合っとるよ
ライラちゃんは顔整っとるからメイクもうちょい可愛い寄りにしたら完璧やな」

「…ぁ…ぅ…////」

思いがけずそう言われて私は恥ずかしくなってしまった

最推し様にこんなこと言われる日が来るなんて思ってなかった

「よし！
こういう服も似合うってことがわかったんやからほかのも着てみよ！」

「まだ着るの！？」

「まだって…それ1着目やんw」

そこからは私はただの着せ替え人形と化した

ジェルくんから渡される服はどれもデザインとしては可愛いんだけど、私は着ないようなものばかり…

ただ、そのどれも着たらめちゃくちゃ褒めてくれる

最終的に…

「私、今日接待受けてる？」

って気分になった

「接待ってww
俺は本心で言ってるで」

「絶対うそ！
似合ってないもん！」

「似合っとるって！
ライラちゃんのその自信のなさはどこから来るん？」

「…落ち着かない
一生分のスカート履いた気分」

「ライブではスカートやろ？」

当たり前のように私がライブをすることになっててさらにびっくりした

「ライブ？」

「歌い手やろ？
なーくんが会場とか押さえて話持って来るやろ」

「やっぱりやるんですかね…」

「やるやろ
さとちゃんもやる言うてたやろ？」

「言ってました」

「やったらやるでw
ライラちゃんやったら俺らの初ライブよりも大きいところでやるんやろうな」

さも当然と言った感じでそう言う彼に私は逃れられないものを感じた