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300.仲直り! ページ50

事務所から帰る途中、夕飯を作る気にもなれないためおにぎりをコンビニで買った

ふと、普段なら素通りする無料配布の求人誌が目に入った


「…」


それを全種類1部ずつ手に取って家まで帰ってきた


働く気は無い

なーくんの言葉が本心じゃないことくらい私だってわかってるから…

それでもこんなものを貰ってきてしまうくらいには、悲しかったのだ


ペラペラっと中を見ると、私が住んでいた地域に比べてかなり多い量の求人が出てる


「ぁ…ここ、家から近いなぁ」


不意に目に止まったのは、私が働いていたコンビニの別店舗

まだ半年ちょっと…ここなら即戦力になれるかなぁ

あぁ、でも接客以外の仕事も経験としてやって損は無いかなぁ…


「アホらしい…」


働きもしないのに、何真剣に求人誌なんて見てるんだろう…


貰ってきた求人誌をそのままテーブルに投げ出して、私はソファーにうつ伏せで寝転がった

肘掛に顎を乗せる形で、下に腕を伸ばした


床に着いた手をボーッと眺めてると、普段は気にならない手首の血管が目に留まる


ここを切ったら、かなりの出血量になるかなぁ…


右手の親指の爪で、左手首の血管を押してみる

力を弱めれば、そこに爪の後がくっきりと残る


「なーくんの邪魔になるくらいなら…死んだ方がマシかな…」


どうしたって、心配になる

今後、同じ状況になっても私はなーくんの仕事を邪魔してまで寝かせようとするだろう

なーくんがそれを煩わしく思う時が来るだろう

そうなったら…私は捨てられるかもしれない

今なら、なーくんの言いなりになっていた彼の元カノ達の思考が理解出来る

ポロポロと涙が溢れてくる


なーくんに嫌われたくない

なーくんのそばにいたい…

それなら、なーくんの言いなりに…


馬鹿なことを考えた私を正気に戻したのは、チャリンと音を立てて、私の視界に入り込んできたネックレスだった


この体制だと、鏡がなくてもネックレスがよく見えるんだなぁ…


とか、訳の分からないことを思いつつ、私は錠を見つめた


「私の命はなーくんのもの
私の一存で好きにできるものでは無い…」


自分に言い聞かせるようにブツブツとそう呟いた


帰ってきた時には電気がなくても明るかった部屋も今では薄暗くなってきた

それでも、立ち上がる気力もない

今日はなーくんも帰ってこないんだ…もうこのまま寝ちゃってもいいかもしれない

こんな落ち込んだ気持ちでは寝れもしないくせに、そんなことを考えた

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大河 - 依存相手に選ばれました。 に依存しているのは私だけでしょうか、ww何回も繰り返し読んでいますww7回目ぐらいかなwwいつかまたづつきをおねがいします! (2022年5月3日 11時) (レス) @page34 id: c288b38476 (このIDを非表示/違反報告)
にら子(プロフ) - 心葉さん» 更新とパスワードの解除ありがとうございます!!遅い時間までお疲れ様です(ー ー;) (2021年9月12日 4時) (レス) id: 89e2465523 (このIDを非表示/違反報告)
心葉(プロフ) - パスワードの解除させて頂きました! Part.7もよろしくお願い致します! (2021年9月12日 2時) (レス) id: 928472755c (このIDを非表示/違反報告)
笹音 - 教えてくださってありがとうございます!ゆっくりでいいので更新無理しない程度に頑張ってください!! (2021年9月11日 12時) (レス) id: fd3b900466 (このIDを非表示/違反報告)
にら子(プロフ) - 教えてくださってありがとうございます!毎回楽しみです!頑張ってください!! (2021年9月11日 10時) (レス) id: 89e2465523 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:心葉 | 作成日時:2021年6月16日 20時

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