依存相手に選ばれました.3【紫】

133 ページ33

「お願いがあるんだけどいいかな」


私は二人を車に乗せて、待ち合わせ場所に向かっている

駅で迎えなのだが、そのまま車で3人を拾う予定になっている


黄s「なに？」

橙s「どうしたの？」


あ、準備してる間に敬語と敬称が外れた

ついでに、紬がジェル君と同い年で私たちの一つ上であることが発覚した


「私たち、待ち合わせってほとんどやったことなくて…車をパーキングに止めて行きたいんだけどいいかな」

黄s「何だ、そんなこと」

橙s「もちろん、いいよ」

「ありがとう！」

黄s「ちなみに待ち合わせはいつぶり？」

「私が東京に来たときに待ち合わせした
…あれはお迎えかな？」

橙s「一緒に住んでたら中々、待ち合わせってしないよね」

「そうなんだよね」

黄s「なんか、経験がありそうないい方ね」

橙s「あ、友達とシェアハウスしてたからその時の経験からね」

黄s「同棲してたとかじゃないの？」

橙s「まさか！
好きな人はあろか、恋人だっていたことないのに」

黄s「…颯真さんも直哉さんも苦労しそうね(ﾎﾞｿｯ」


聞こえてるよー


私は車をパーキングに止めた


黄s「5分前かぁ…」

橙s「じゃあ行きますか？」

黄s「いや…今回は王道デートをするから5分くらい遅れていこうか」

「そうだね」

橙s「え…時間は守ったほうがいいのでは…」

「確かに、普段は時間を守るべきなんだけど、今回は『遅れちゃった！』って駆け寄るシチュエーションを経験します」

黄s「裏でこんなことを計画してる女嫌だけどね」

「確かにww
これは3人には内緒ね」

橙s「怒られないかなぁ」

黄s「みんな優しいから遅れたくらいで怒ったりしないわよ
むしろ、遅くなったら心配されそう…」


朔夜の言葉で思う

やばいかもしれない…


黄s「基本参考にするなら、私と奏ね
Aのところはこういうカップルもいるんだって程度に見ててね
あと、もし真似するんだったらAじゃなくて、旦那さんのほうね」

「何でよ」

黄s「どう見ても颯真さんの方が女側でしょ
颯真さんの方が行動が可愛いのは誰が見ても明らかでしょ？」

「なーくんだって、かっこいいもん」

橙s「…すごいサラッと惚気るんだね
尊敬する」

「ねぇ、違うじゃん！」

黄s「ほら、そろそろ行くわよ」

「2人がいじめる」

黄s「人聞きの悪い
むしろ、あんたたちを一般カップルとしての参考にしていいと思うの？」

「思わないです」


私たちはなーくんたちの待つ場所まで歩き始めた

134→←132

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す