依存相手に選ばれました.3【紫】

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「卵入れまーす」

紫「まだ水分入れるの！？
本当にまとまる！？」

「大丈夫だよw」


私は溶き卵を入れて、洗い物をする

なーくんは生地と格闘してる


紫「え、凄い！
見て、くっつかなくなってきたよ！」

「おぉ、良かったね
じゃあ、手についたやつが綺麗になるまで頑張って」

紫「パンって大変」

「まだまだ捏ねるけどねw」


私はテーブルに、大きなクッキングマットを敷く

シリコン製で結構愛用してる

クッキーとか作る時に楽だよね


紫「出来た！」

「じゃあ、マットの上に生地置いて」

紫「はーい
おぉ、ボールから綺麗に取れる！」

「最初は感動するよね
あんなにベタベタだったのにって」

紫「うん！」


可愛いなぁ…

子供と料理するのってこんな感じなのかなぁ


「じゃあ、これにバターを入れてさらに捏ねます！
バターが完全になくなったら教えてね」

紫「まだやるの！？」

「これで捏ねる行程の半分かな」

紫「マジか…」


黙々とやり続けるなーくんを横目に今度は野菜を準備する

シチューの分量は予め私が測っておこうかな


紫「無くなったよぉ」

「そしたら、叩きつけて折るを15分くらい繰り返します！
これで最後だから頑張って！」

紫「はーい」


ちょっと疲れた様子のなーくん

お菓子とかパン作るのって体力いるよね


「そろそろいいかな」

紫「終わり？」

「うん
じゃあ、ボールに移してください！」

紫「はーい」

「そしたら、この家のオーブンには発酵機能があるので、軽くラップをかけて40度で40分発酵します！」

紫「時間かかる〜」

「夏なら、そのまま机に置いておいてもいいんだけどね」

紫「40分？」

「あー…いや、大体1.5倍に膨らむくらい」

紫「…アバウトだね
ひとつまみとか、1.5倍とか」

「ねー
私も、いっぱい実験したよw」

紫「じゃあ、ちょっと休憩〜
疲れたぁ」


手を洗って、なーくんが私を連れてソファーで抱きしめ始めた


「お疲れ様」

紫「んー…Aはいつもこんな大変なのに差し入れしてくれてるんだね」

「いや、混ぜて焼くだけのやつもあるよ？」

紫「毎日、作って来なくてもいいからね」

「私がやりたくてやってるからいいの」


私はなーくんの頭を撫でる

なーくんはいつもみたいに私の首にスリスリ


最近はあまり痛くない

私が慣れてきたのか、なーくんが加減してくれてるのか…


「パン作るの楽しいですか？」

紫「うん
Aと一緒って時点で楽しい」

「それは良かった」

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