ごめんなさい ページ33
「ともー！」
のぞむくんに抱き抱えられてるとも
「とも！勝手にどっかいったら危ないやろ！
お父さん心配で心配でどうにかなってしまうかと
思ったんやで！」
やっと見つかった安堵で力が抜けて
座り込む俺
「でも、ともくんこれを見せたかったんですよ」
のぞむくんから降りて
ともは裾の中の物をぽろぽろと落として
俺に抱きついてきた
ふるふると震えていて
ともも不安だったし、泣いているみたい
「怖がらせてごめんなぁ、ともも怖かったんやろ？
お父さん心配やってん」
ともをぎゅーってするとのぞむくんも泣き出しちゃって
とものことを抱きしめに来た
「凄いやんこれ！
めっちゃ立派な栗やないの！
こんなイガイガよう持ってこれたで！」
ともが布の裾持ってジェスチャーしてる
「え、これを中に入れて？こうして？
とも天才やな！」
涙て目の部分がシミになって
でも一生懸命説明してるとも
「家で栗ご飯出来るな！
良いお土産をありがとうとも
今度はのんちゃんとかお父さんと一緒に探そうな
ご飯も出来たから食べよう」
ちょっと冷めてしまった鮎と炊き込みご飯
ほんのり火をかけて焦げすぎないように
「できたでー」
日も落ちて影ってきて寒くなってきた
追加で作ったさつまいもの味噌汁もいい感じ
「それでは皆さん、いただきます」
『！』
「いただきまーす」
「んま！染みるわァ〜」
『！！！』
ともも手をほっぺに当てておいしいポーズ
「鮎も塩がきいてて美味しいです」
食べるまでが大変だったけれど
食べ始めたらあっという間で
車で帰るとルームミラーには
手を繋いで仲良く寝てるともとのぞむくんが映っていた
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作者名：神崎 | 作成日時：2023年7月15日 4時
