仲良くなりたいです。 ページ10
「おや、櫻田君はどうしました？」
少しして、ホームルームの為に教室に戻って来た松神先生が、櫻田君がいないことに気づく。
「知らね、屋上じゃね？」
橘君が頬づえをつきながらだるそうに答える。
「……困りましたね。誰か呼び戻してきてください」
どうやら櫻田君は屋上に居るらしいけど、先生の言葉に誰も席を立とうとしない。
あたしはおずおずと手を挙げた。
「先生、あたし、行きます」
「は？」
橘君が目を見開いてあたしを見る。
周りの子達も同じ表情であたしを見ていた。
「屋上って、此処に来る時に使った階段を上がればいいんですよね？あたしが呼び戻してきます。」
「え……あ、はい。お願いします。」
先生も一瞬、戸惑っていたがすぐに納得したような顔をして頷いた。
「おい、いいのかよ？」
「Aちゃんひとりで大丈夫？」
前と後ろから心配する声が聞こえたが先生がその言葉を遮るように口を開く。
「まぁ、大丈夫でしょうね、浅村さんなら」
「っはい！」
あたしは先生に微笑んで教室を出た。
さっき松神先生と歩いた階段を上り、屋上の扉の前に辿り着く。
あたしは小さく息を吐いて鉄の扉を開けた。
眩しい太陽の光が目に飛び込んできて思わず顔を背けてしまったが直ぐに気を取り直して強い日差しの下へど足を踏み入れた。
あたりを軽く見渡したけれど櫻田君の姿は確認出来ない。
「あ、れ…？」
いないのかな？おかしいな、と思いつつ辺りをキョロキョロする。
「……何してるんだ？」
頭上から、不機嫌そうな低い声。
「あ、櫻田君」
「なんか用か？」
眩しさに顔を顰めながら声がした方を見ると扉のすぐ横にある給水タンクの上から櫻田君が顔をひょこっと覗かせていた。
「はい。先生に頼まれて櫻田君のことを呼び戻しに来ました。」
「俺のことを呼び戻しに？」
「はい、一緒に教室へ帰りましょう」
「……断る」
櫻田君はプイっと顔を背け、一言吐き捨てた。
「え…？」
「教室に戻っても面白くない。ここに居た方がマシ。」
そう言うと、腕を枕代わりにして仰向けになる櫻田君。あたしは意を決して、給水タンクの裏手に回りはしごに手をかけた。
トントン、とテンポよくタンクの上に上り、櫻田君の顔をのぞき込む。
「…なに？」
「あの…お願いですから教室に戻ってください」
面倒くさそうにあたしを見る櫻田君に頭を下げる。
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Saki - どうも！初めて見させてもらいました^_^ニヤケが止まらないですなぜでしょう。次回も期待しています！！！ (2018年12月25日 23時) (
レス) id: 3a93442a11 (このIDを非表示/違反報告)
螺子林檎(プロフ) - こちらでは、お久しぶりです！自分もB型なんで気持ちはわかりますwww ラスト死にました…八木原君サイコーです、おーけい！！！(やかましい (2017年5月23日 15時) (レス) id: 49d52155b2 (このIDを非表示/違反報告)
ももせ(プロフ) - sonne tramさん» ありがとうございます；；がんばります！！ (2017年4月6日 0時) (レス) id: aa9e06ef90 (このIDを非表示/違反報告)
sonne tram(プロフ) - うん。面白いです！いやぁ〜続きが楽しみです！更新頑張って下さいです｀・ω・´) (2017年4月5日 23時) (レス) id: 5f7f644c4d (このIDを非表示/違反報告)
ももせ(プロフ) - 螺子林檎@次回更新日4/6さん» Ｍｅ ｔｏｏ……… (2017年4月5日 13時) (レス) id: aa9e06ef90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももせ | 作成日時：2017年4月2日 23時
