3年A組、女ひとり ページ6
校長室を出たあたしは、松神先生に連れられて教室の前に立っている。
3年A組…ここがあたしの新しいクラス。
ここへ向かう途中、何人かの生徒とすれ違った。
皆…男の子だったけど。
「あ、ちなみに、今日は担任の山岸先生はお休みなので、私が代理を務めます……改めてよろしくお願いしますね」
「はい、宜しくお願いします」
緊張と不安と憂鬱感が頭の中を駆け巡り、立っているのがつらいほど。
「安心してください、俺が守りますから」
あたしの顔を覗き込み、にっこり笑う松神先生。
「…っ、ありがとうございます」
…かっこいいなぁ、
改めて思った。先生は顔が整い過ぎてる。
こんな人が、彼氏だったらいいのになぁ…。
なんて、空想に浸っていると、先生が目の前のドアが開き、教室内から聞こえる騒がしい声に、我に返る。
「じゃあ、俺が先に入りますから、呼んだら入ってきてくださいね」
「は、はい…」
そう言って先生が教室に入ると、あたしの心臓はドキドキしだした。
「静かに」
松神先生がピシャリと言い放つと、教室内の雰囲気がガラッと変わる。
静か過ぎるとかえって入りづらい…。
「今日は転入生を紹介します。…入ってきてください」
ドア付近で固まっているあたしに、先生は優しく微笑みながら、声を掛けてきた。
その穏やかな表情に後押しされ、あたしは教室内に足を踏み入れる。
そしてぎこちなく教卓の横につき、伏し目がちにあたりを見渡してみた。
本当に男の子ばっかだ…いや、男の子しか居ない。
「女の子来たー!!」
「女だぁ」
「超可愛いじゃん、俺、食いたいーっ」
「足細いー」
男の子たちからの冷やかすような言葉に、ギュッと目を閉じる。
「自己紹介、出来ますか？」
先生に心配そうに尋ねられ、あたしは小さく頷く。
「浅村……A、です……宜しくお願いします……」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Saki - どうも！初めて見させてもらいました^_^ニヤケが止まらないですなぜでしょう。次回も期待しています！！！ (2018年12月25日 23時) (
レス) id: 3a93442a11 (このIDを非表示/違反報告)
螺子林檎(プロフ) - こちらでは、お久しぶりです！自分もB型なんで気持ちはわかりますwww ラスト死にました…八木原君サイコーです、おーけい！！！(やかましい (2017年5月23日 15時) (レス) id: 49d52155b2 (このIDを非表示/違反報告)
ももせ(プロフ) - sonne tramさん» ありがとうございます；；がんばります！！ (2017年4月6日 0時) (レス) id: aa9e06ef90 (このIDを非表示/違反報告)
sonne tram(プロフ) - うん。面白いです！いやぁ〜続きが楽しみです！更新頑張って下さいです｀・ω・´) (2017年4月5日 23時) (レス) id: 5f7f644c4d (このIDを非表示/違反報告)
ももせ(プロフ) - 螺子林檎@次回更新日4/6さん» Ｍｅ ｔｏｏ……… (2017年4月5日 13時) (レス) id: aa9e06ef90 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ももせ | 作成日時：2017年4月2日 23時
