大人の魅惑 ページ19
転入してから1週間と3日。男の子に囲まれた生活も慣れてきた頃、あたしは寮の自室で、八木原君に借りた本を読んでいた。
八木原君に本を借りるのはこれで3冊目。八木原君がすすめてくれる本はどれも読みやすくて面白い。
読書はあまり好きではなかったけど、八木原君のおかげで大好きになった気がする。
＿＿トントン、
部屋の扉が叩かれハッとする。
「はい？」
扉に向かって声をかけると少し間が空いてから声が返ってきた。
「浅村さん、今、大丈夫でしょうか？」
思わず息を飲んでしまった。
……松神先生だ、
あたしは慌てて立ち上がり、扉を開けた。
目の前には、白衣姿の松神先生。
扉に手をかけ、あたしを見下ろしながらニコニコと笑っている。
「お邪魔しても？」
「あ、えと、どうぞ！」
体を横にずらし、部屋の中に入るように促す。
先生は軽く頭を下げながら、部屋の中に足を踏み入れた。
「浅村さんの香りがしますね」
ふふっ…と笑をこぼしながら、さらりという先生。
……セクシャルハラスメント…！
「浅村さん、固まってないで、こちらに来てください」
赤くなった顔を両手で隠して、その場で固まっていると、先生に呼ばれる。
いったい、何の用だろう？床に座る先生の向かいに、腰を下ろす。
「どうですか、学校は？」
心配そうに顔を覗き込んでくる。
「た、楽しいです、皆さん、優しいですし」
この言葉に嘘はなかった。実際、学校は楽しく、毎日が充実していると思う。
「そうですか…それはよかった」
そう呟く先生の顔は少し寂しそうに見えた。
…気の所為、かな…？
「実は少し心配でして、」
「え…？」
目を伏せていた先生がおもむろに顔を上げた。今更気づいたけど先生との距離が近すぎる。
「ちょ、先生？」
あたし達がもし恋人同士なら…自然な距離なのかもしれない。だけど違う。
あたしは生徒でこの人は先生。
この状況は、まずいでしょうっ…！
「俺はね、あなたの力になりたいんです。」
「え…っ」
ぎゅと手を握られ、あたしは後ずさるけれどそのまま追い詰められ、先生と冷たい壁に挟まれる。
この状態では、顔を近づけられても逃げられない。
「せ、先生…！」
香水をつけているのか、先生から甘い匂いがする。ダメ…クラクラしてきた。
先生があたしの耳元に口を近づけて囁く。
「ね、浅村さん。……俺と勉強しましょう」
「……へ？」
「俺が隅から隅まで、教えてあげますよ」
いやらしい口調で囁かれ、体の力が抜けてしまった。
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Saki - どうも！初めて見させてもらいました^_^ニヤケが止まらないですなぜでしょう。次回も期待しています！！！ (2018年12月25日 23時) (
レス) id: 3a93442a11 (このIDを非表示/違反報告)
螺子林檎(プロフ) - こちらでは、お久しぶりです！自分もB型なんで気持ちはわかりますwww ラスト死にました…八木原君サイコーです、おーけい！！！(やかましい (2017年5月23日 15時) (レス) id: 49d52155b2 (このIDを非表示/違反報告)
ももせ(プロフ) - sonne tramさん» ありがとうございます；；がんばります！！ (2017年4月6日 0時) (レス) id: aa9e06ef90 (このIDを非表示/違反報告)
sonne tram(プロフ) - うん。面白いです！いやぁ〜続きが楽しみです！更新頑張って下さいです｀・ω・´) (2017年4月5日 23時) (レス) id: 5f7f644c4d (このIDを非表示/違反報告)
ももせ(プロフ) - 螺子林檎@次回更新日4/6さん» Ｍｅ ｔｏｏ……… (2017年4月5日 13時) (レス) id: aa9e06ef90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももせ | 作成日時：2017年4月2日 23時
