嫉妬と本性 ページ17
その声は耳を疑うものだった。
そして、耳に感じる吐息が、やけに色っぽい。
ギョッとして、中村君の方に顔を向ける。
目の前の含み笑いを浮かべている人は誰？
「な、中村君、離れ、てください！」
「なんで？俺のこと嫌いなわけ？」
いつの間に、一人称も、【僕】から【俺】になっている。
「そ、そうじゃないです、ただっ…！」
そこまで言って、言葉に詰まる。
それは、頬に柔らかい感触を感じたせい。
何が起こったのか分からず、目を大きく見開いたまま中村君を見る。 いま、ふれた、よね？
もしかして、頬にキスされたの？
「あんまり、妬かせないでよねっ」
そう笑う中村君は、いつも通りの中村君に戻っていて、あたしは完全に思考停止。
「はいっ」
取り上げた本を返してくれる。な、なにがなんだか、さっぱり……
「えっと、はい」
躊躇しつつも、あたしは本を受け取る。
「今日の放課後は一緒に帰ろうね？」
「っ、はい」
こくんと頷くと中村君は満足したように席についた。
再び本を読もうと〈しおり〉を辿るけれど、まだ頬に残る中村君の熱のせいで集中できなかった。
「あいつ、本当はああいう奴だから」
熱い頬を手で冷ましていると、寝ていると思っていた橘君が声をかけてきた。驚いて隣の席を見ると橘君と目が合う。
ああいう、奴ですか…。
「…」
「あんな可愛い顔してやることやってんだもんな。」
あたしが何も言い出せないでいると橘君はバカにしたような笑みを浮かべていう。
やることって……うん……
自然と顔が赤くなる。やっぱり経験豊富なんだ…。
「どした？もしかして……
想像した？」
「へっ!? あ、いや、…その…っ」
図星をつかれ動揺を隠せない。
「図星かよ……まぁ、でもいずれ……」
そこまで言って橘君は口をつぐんだ。
次の言葉を待ってみても、その先はつづかないみたいだった。
「橘君…？」
「あー…なんでもない。そのうちわかると思うし」
橘君が話そうとしたことを、あたしが理解できるようになるのは、まだ少し先の話……、
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Saki - どうも！初めて見させてもらいました^_^ニヤケが止まらないですなぜでしょう。次回も期待しています！！！ (2018年12月25日 23時) (
レス) id: 3a93442a11 (このIDを非表示/違反報告)
螺子林檎(プロフ) - こちらでは、お久しぶりです！自分もB型なんで気持ちはわかりますwww ラスト死にました…八木原君サイコーです、おーけい！！！(やかましい (2017年5月23日 15時) (レス) id: 49d52155b2 (このIDを非表示/違反報告)
ももせ(プロフ) - sonne tramさん» ありがとうございます；；がんばります！！ (2017年4月6日 0時) (レス) id: aa9e06ef90 (このIDを非表示/違反報告)
sonne tram(プロフ) - うん。面白いです！いやぁ〜続きが楽しみです！更新頑張って下さいです｀・ω・´) (2017年4月5日 23時) (レス) id: 5f7f644c4d (このIDを非表示/違反報告)
ももせ(プロフ) - 螺子林檎@次回更新日4/6さん» Ｍｅ ｔｏｏ……… (2017年4月5日 13時) (レス) id: aa9e06ef90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももせ | 作成日時：2017年4月2日 23時
