初めての寮生活 ページ12
櫻田君が教室のドアを開けると一斉に視線が注がれた。手を繋いでないことを確認してほっとする。
「お帰りなさい、おふたりとも。浅村さんご苦労様です」
松神先生がニコッと微笑む。そそくさと自分の席に戻るとちょうどホームルームの終わりを知らせるチャイムがなった。
「じゃあ、今日も頑張ってください」
先生はそう言って教室から出ていった。
「1限目は国語だよ！」
「あ、はい、わかりました」
中村君が教えてくれたのでペコッとお辞儀をして鞄を開く。
あ…そっか。
「あの…橘君」
「ん？」
「あたし、まだ教科書受け取っていなくて、見せてもらえますか？」
「あぁ、構わねえよ、どうせ使わねえから」
橘君は国語の教科書をあたしに貸してくれた。
それからずっと橘君に借りていたが橘君は放課後まで寝続けていた。
起きていたのは昼食だけ。だけどどの授業の先生も何も言わなかった。
「では、これで終わります。」
放課後のホームルーム終了後あたしは松神先生に呼び止められた。
「浅村さん、寮へ案内します」
「はい、お願いします」
まだ筆記用具しか入ってない鞄を持って先生の後をついていく。
「あ、Aちゃん！寮に行くの？」
中村君が駆け寄ってきた。
あたしは行くことを伝えると中村君も行くことに。
「おっ、まふにA、今から寮に行くのか？」
あたしたちに気づいた八木原君もこっちに向かってきた。
「うん、あきらも行くー？」
「あぁ」
八木原君が柔らかく笑う。こうしてあたしたち4人で別館の寮へ向かった。
「わぁ…っ」
これまた立派な学生寮。
「入口はここ！夜の11時になると閉まっちゃうから！」
中村君が寮の入口の扉を指し教えてくれる。
「それって門限ですか？」
「あぁ、めんどくせえよな。破ったら罰が待っているし」
やれやれと首を振りながら八木原君が言う。
「罰？」
「…。1週間晩飯無し。想像以上にきつい」
「ほんっとつらいよね、餓死するかと思ったもん」
八木原君が苦々しい表情で言うと中村君も苦笑い。
「門限を破るのがいけないんですよ」
きっぱりと言い放つ松神先生。……気を付けなきゃ。
階段で3階へ上がり廊下を突き進む。先生が、一番奥にある部屋の前で立ち止まる。
「浅村さん、ここがあなたの部屋です」
茶色の扉に309、と書かれたプレートが掛けてあった。
「じゃあ、私はこれで失礼しますね。荷物はもう運んでありますし生活に必要な物は全て備わっています。」
「はい、ありがとうございます」
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Saki - どうも！初めて見させてもらいました^_^ニヤケが止まらないですなぜでしょう。次回も期待しています！！！ (2018年12月25日 23時) (
レス) id: 3a93442a11 (このIDを非表示/違反報告)
螺子林檎(プロフ) - こちらでは、お久しぶりです！自分もB型なんで気持ちはわかりますwww ラスト死にました…八木原君サイコーです、おーけい！！！(やかましい (2017年5月23日 15時) (レス) id: 49d52155b2 (このIDを非表示/違反報告)
ももせ(プロフ) - sonne tramさん» ありがとうございます；；がんばります！！ (2017年4月6日 0時) (レス) id: aa9e06ef90 (このIDを非表示/違反報告)
sonne tram(プロフ) - うん。面白いです！いやぁ〜続きが楽しみです！更新頑張って下さいです｀・ω・´) (2017年4月5日 23時) (レス) id: 5f7f644c4d (このIDを非表示/違反報告)
ももせ(プロフ) - 螺子林檎@次回更新日4/6さん» Ｍｅ ｔｏｏ……… (2017年4月5日 13時) (レス) id: aa9e06ef90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももせ | 作成日時：2017年4月2日 23時
