貴方の壊れた部品、直します (ページ7)

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エピローグページ7

その後。私が目を覚ますと、霧島さんはほっとしたような顔で私を見ていた。何でも数時間眠っていたらしい。私は霧島さんに御礼を言って、倉庫から出る。心做しか、心が軽くなったような気がした。

「直ったようですね。良かったです」

店内に戻ると、八橋さんが無表情でレジの前に立っていた。私は笑顔ではい、と言い、八橋さんにも御礼を言う。八橋さんは私は何もしていませんよ、とだけ言い、レジ打ちを始めた。

「今回は心の問題でしたので、お会計は10000円となります。」

私は財布を取り、八橋さんへと渡す。八橋さんは札を受け取ると、無表情のまま「有難うございました。またお越しくださいませ。」と告げた。

私は森からの帰り道、ずっと考えていた。美澪のこと。事故のこと。でも、ふと思った。何も考える必要なんてないんだと。

あの子は言われたとおりやっただけ。私は美澪の親友。その事実は変わらないのだから。

そう思った時、不意に森が開け、私が来た時と同じ場所に立っていた。横には美澪が、なんだか少し悲しげな表情をして立っていた。美澪が口を開きかけるのと同時に、私は笑顔で彼女の手を引いた。

「一緒に帰ろ？」

彼女は驚いたような顔をした後、すぐに笑顔になり、うん、と大きく頷いた。

もう、迷わない。

大好きな友達は友達のままでいたい。

どんな酷いことをされたとしても。

寄り添ってくれた、傍にいてくれたから。

私は明日も、彼女と一緒に＿＿＿。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
「帰りましたね。」

「あぁ。」

「というか今回のこと、あちらも手出ししていたんですねぇ。」

「そうみたいだな。しかも見たのは暗くて悲しい顔をした少女と来た。」

「……"黒百合堂"の看板娘ですか」

「あぁ。壊し屋もどうやら本気らしいな」

「困りますね。あちらが壊したものをこちらが修理をするのも大変なんですがね。」

「まぁ今は夏樹から言われてるから、戦争はしないがよ。次手ぇ出してきたら、文句のひとつでも言ってやる」

そう言って、霧島はスタスタと憤慨した様子で、外へと出ていった。八橋は目を細め、遠くを見つめて、小さく呟く。

「壊し屋……ですか。懐かしいですね」

END＿＿？