駆紋家の妹ちゃん。 【仮面ライダー鎧武】【駆紋戒斗】

決行。 ページ32

そしてやって来た翌日。

今日、ザックと凰蓮で仕込んだ爆弾を爆破させる＿＿＿＿＿＿。

戒斗を呼び出して、Aとザックは震えて倒れそうになる足に力を込めた。

戒斗「………待たせたな」

ザック「よっ、戒斗。俺は全然待ってないから大丈夫だぜ」

ザックは平然を装い、いつもの軽いノリで片手を上げた。

Aは近くの物陰に隠れている。

流石に戒斗がやられる瞬間を見届けたくはないからだ。

戒斗「それで………話とは何だ」

ザック「これを見てくれ」

ザックが持ち上げたのは龍玄のベルトとブドウロックシード。

戒斗「これは……」

ザック「あいつのベルト。これで龍玄の動きも封じる事が出来たな」

ザックは得意気に笑う。

戒斗「これで、残るライダーは俺とザックだけ。それなら、禁断の果実は俺の物になったも同然だな」

ザック「あぁ。これで、Aを幸せに出来るな」

戒斗「………俺の強さ、Aは理解してくれるのか………？この前だって、何故だか話が通じなかった」

戒斗が少し不安気に呟く。

が、ザックは笑って嘘を伝えた。

ザック「それならこの前俺が話をして来たんだ。そしたらあいつ、お兄ちゃんは私の為に………って嬉しそうにしてたぜ」

信用出来るザックの言葉を聞いて、戒斗は安心したのかフッ、と綻んだ。

戒斗「それじゃあ行こうか。禁断の果実を取りに」

戒斗が足の向きを変えた所でザックはAの方にピースサインを出した。

これが爆破の合図だ。

Aもピースサインを返すと、起爆装置の電源が入ったのか、ピッ！！と音がする。

その音に気付いた戒斗は振り向く。

戒斗「何の音だ＿＿＿＿＿」

ザックはその場から勢い良く離れた。

そしてAは＿＿＿＿＿＿＿＿。

戒斗の方へと走った。

ザック「ちょ、A！？」

ザックはつい声を漏らす。

戒斗「な、何だA…………！！」

Aは勢い良く戒斗に抱き着く。

その瞬間、周囲が明るくなった。

爆音と共に周りの物が破壊される音がする。

ザック「Aっっっ………！！！くそっ、変身！！！」

ザックはAを助けようと変身する。

Aは戒斗の胸に飛び込んで有りっ丈の声で叫んだ。

『お兄ちゃん、ずっと大好きだったよ＿＿＿＿＿＿＿！！！』

戒斗が最後に聞いたAの言葉が、耳の中を木霊した＿＿＿＿＿＿＿。

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