駆紋家の妹ちゃん。 【仮面ライダー鎧武】【駆紋戒斗】

いつかは誰かと。 ページ4

結局、まだ１日目だからかも知れないが、誰かに話し掛けられる事は無かった。

同じ中学の人も居らず、顔見知りが居ない自分にとって、周りに居た既に仲良くなっているのであろう女の子達を見て少し寂しくなった。

でもまだ１日目だ。

きっと、明日から、誰かと話せる様になる筈。

Aはそう信じて、校門を出た。

そして、近くにあるお店を見て回る。

すると、洋風な感じのするお店を発見。

『シャル………モン？』

どうやら洋菓子店らしい。

Aはスイーツが大好きである。

これは今日のお楽しみとして是非入店するべきだろう。

そう思って、Aはカララン、とドアを開けた。

接客されて、席に座りメニューを開く。

入店時に見たカウンターのスイーツがどれも美味しそうだったのを思い出し、Aはうーん………と唸る。

そこで選んだのは紅茶と、チョコバナナパンナコッタ。

平日の昼間だったから、お客さんも少なく、届くのは直ぐだった。

Aは一度写真にそのパンナコッタを収めると、ゆっくりとスプーンを入れる。

ぱくり、と食べれば鼻を抜ける甘いバナナの香り。

パンナコッタはとろんとしていて、程良い甘さがあった。

『ん〜〜〜！！！何これめっちゃ美味しい…………！！』

そう、零さずにはいられなかった。

すると、スタスタと誰かがこちらに近付いて来る。

？「凄く良い笑顔して食べてくれるのね」

そう言われてAは顔を上げる。

ネームプレートには【凰蓮・ピエール・アルフォンゾ】の文字。

『えっと……凄く、美味しかったから………』

Aはおどおどして答える。

凰蓮「嬉しいわ。あら、もしかして新入生の子？」

凰蓮はAの制服が真新しい事に気付いて言う。

『あっ、そうなんです。今入学式から帰った所で……』

凰蓮「そうなのね。だったら今度、またお友達でも連れて来ると良いわ」

『……はい！』

流石に断れなくて、Aは頷いた。

凰蓮「因みに、貴方名前は？」

『Aです』

凰蓮「Aちゃんね、また来てくれると嬉しいわ。はい、これサービス」

凰蓮は小さなシュークリームを置いて、厨房へと戻って行く。

凰蓮の為にも、戒斗の為にも、自分の為にも、友達を作ろうと決めたAは、シュークリームを一口で平らげた。

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