駆紋家の妹ちゃん。 【仮面ライダー鎧武】【駆紋戒斗】

早く彼の元へ。 ページ28

視界がボヤける。

真っ白な天井に、温かい白色のライト。

壁に貼られた賞状は全てチームバロンの物。

ここは、駆紋家２階にあるAの部屋。

Aはベッドに横たわっていた。

『ん………』

かなり長い間寝ていたのか体が痛い。

布団の中でもごもごと動くと、声が聞こえた。

ザック「ん、起きたか？」

『ザック………あれ、私………』

ザック「シャルモンで倒れてから、運んで来た。大丈夫か？」

ザックの問い掛けに、Aは徐々に思い出す。

それから頭の中がすっきりすると、ガバッと起きてザックに聞いた。

『ねぇ、お兄ちゃんは！？』

ザック「………それが、よく分かんねぇんだ。俺もまだ会えてないしな」

ザックは下の方を眺めながらそう言う。

ザック「まあ、さっきシャルモンのおっさんがとあるライダーの１人から電話貰ったんだって。そいつがオーバーロードになった戒斗に会ったとか」

『オーバー………ロード？』

Aは知らぬワードに首を傾げる。

ザック「簡単に言えば、ヘルヘイムの果実を口にして、インベスの強いヤツになったみたいな感じだ。インベス………ほら、ダンス大会の時に襲って来た化け物だ」

ザックの説明に、Aは絶句した。

『お兄ちゃん、人間じゃなくなったって事………？』

ザック「戻す方法があるかどうかは今んとこよく分かってねーんだよな」

『止められ、なかったの………？』

ザック「ヘルヘイムの森に行った時、結構致命傷だったらしくてな。その果実を見て、食ってしまったみたいな」

それを聞いて、Aはベッドから勢い良く降りた。

それからザックの後ろ側へ回り込むとタンスから簡単な服を取り出して着る。

スマホと時計だけを持って、Aは階段を駆け下りた。

ザック「おいA！！！どうしたんだよ！？」

『私、お兄ちゃんを探しに行く！！！』

Aはそのまま玄関を飛び出し、外へ走り出した。

家に取り残されたザックは、スマホを開き、凰蓮に電話してから、彼もまた外へ出た。

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