駆紋家の妹ちゃん。 【仮面ライダー鎧武】【駆紋戒斗】

消えた戦い。 ページ27

ザック「なぁ、何か美味いケーキでも食べに行かねぇ？」

ある日、ザックがふとそんな事を口にした。

『シャルモンでも行く？私久々にパンナコッタ食べたい』

Aが言うと、ザックは頷いて、２人で家を出た。

シャルモンに着いて、２人はスイーツを注文。

直ぐに届いたそれをもぐもぐと頬張っていると、カララン、と店のドアが開く。

光実「………あ、Aさん」

入って来たのは光実だった。

驚いた様に全員が目を見開く。

光実はそのままザックの隣に座ると、ケーキを注文した。

光実のケーキが届いてから、ザックがゆっくりと口を開く。

ザック「……………なぁ、戒斗との決着ってどうなったんだ？」

その瞬間、空気が凍った。

光実がここに居る。

しかし戒斗とは連絡が取れない。

となると、光実が勝ったのではないか………と言う予想がAとザックの脳内を過る。

が、光実は答えた。

光実「分からないです」

『分からない？どーゆー事なの光実くん』

光実「確かにこの前、お兄さんと戦いましたよ。ですが、２人とも疲弊してしまって、変身解除まで追い込まれたんです。その際にロックシードが落ちてしまったんですけど…………」

光実は暗い目をして、だが少し口端を持ち上げながら言った。

光実「そのロックシードを拾いに、お兄さんはヘルヘイムの森へと続く入り口に入って行きました」

光実の返事を聞き、Aの手からスプーンが滑り落ちる。

ザック「そっからどうなったんだよ！？」

光実「僕は知りません。ヘルヘイムまでは入っていないので」

光実は、自分には責任が無いのだと言わんばかりに投げやりな口調で言う。

その場には、暗いムードが漂った。

が、それは凰蓮の叫びにより掻き消される。

凰蓮「何ですって！？」

凰蓮はどうやら電話をしている様だった。

その電話を切ると、A達のテーブルにズカズカとやって来る。

凰蓮「………大変よ。A、ショックかも知れないけど落ち着いて頂戴………あのね………」

ザック「何があったんだよ！？」

凰蓮「ムッシュ・バナーヌの事よ……。残念ながら、ヘルヘイムの果実を口にしてしまったみたいなの」

ズデンっ、と盛大な音がして、Aはそのまま横に倒れた。

早く彼の元へ。→←愛の強さ。

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