僕は知っている。 ページ22
終礼が終わり、Aは教卓でプリントを纏めている先生の元へ行った。
『お話って何ですか…?』
先生「見たぞ。お前のテストの結果。赤点が3教科もあったな」
『………はい』
やっぱり、と思ったが、それでも現実をはっきりと言葉にされると胸が痛いし悲しい。
教室にまだ数名残っていたが、ボリュームは小さかったので周りに漏洩してはいないだろう。
先生「お前、何処の高校に通っているのか分かっているのか?自覚あるか?天樹高校の生徒なんだぞ」
『それは、分かっています』
先生「既にこの様な状況だったら、留年や落第の可能性は大いにあるな」
先生の言葉に、Aは唇を噛んだ。
分かっていたけど、本当に可能性があるらしい。
とうとう笑い事では無くなって来ている。
先生「お前はもっと勉強しろ。グダグダしているから成績が伸びないんだ。それに、お前は受験で入って来た生徒じゃない。お前のお兄さんが内輪で話したから特別入学だった。だが、ここ、天樹高校は努力しないヤツは要らない。本来ここにお前の居場所は_______」
光実「あんたがAさんの何を知っているって言うんですか!!!」
先生に対し、まだ教室に残っていた光実が、胸倉を掴んだ。
先生「くっ、呉島…………!?」
光実「僕はずっと見ていたから知ってます。Aさんがどれだけ勉強したか!どれだけ頑張っていたか!!ノートが何冊消費されたか、無くなったシャー芯の数なんて知らないんじゃないですか!?」
光実は勢い良く言うと、次々と乱雑に言葉を発する。
光実「何も知らないのに、何で努力してないって決めるんですか?Aさんの何を知ってるってんだ!!本当の事を知らないヤツが、Aさんの事を馬鹿にして、踏み躙って良い筈が無い!!だから黙ってろよクズ!!」
光実はただ、光を失った瞳で先生を圧倒していた。
Aは慌てて止めに入る。
『光実くん、もう大丈夫だから!私がお馬鹿なのはほんとなの!!』
光実「………Aさん、言ってましたよねこの前。僕を傷付けるのは、お兄さんであっても許さないって。僕もそうなんですよ、教師であろうとAさんを傷付ける人は許せない。そう言うだけです」
笑った光実の顔に、前の様な温かさは微塵も無かった。
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桜もち。@椿くん推し - 松音(元 冬松)さん» コメントありがとうございます✨✨✨鎧武良いですよね💖一気読みありがとうございます!!!!長編苦手なんですけど、そう言って頂けて嬉しいです!!! (2023年2月12日 20時) (レス) id: ae0c5636a6 (このIDを非表示/違反報告)
松音(元 冬松) - 鎧武見たので気になって読んだらめっちゃハマりました!一気読みしちゃいました(笑)個人的にミッチがキレるシーンが好きです!長編も書けるなんて…もうすごすぎますよ〜! (2023年2月12日 20時) (レス) @page50 id: 21c3712e9e (このIDを非表示/違反報告)
カテゴリーJ♢桜もち。 - Makua*ぼっちさん» コメントありがとうございます!こちらこそリクエストありがとうございました✨紘汰や舞ちゃん、メロンお兄様や戦極さんも出したかったんですけど、純粋にごちゃごちゃして無理だなと思ったので敢えて一瞬も出してなかったんです(泣)本当にありがとうございました! (2022年11月14日 6時) (レス) id: 5088013c29 (このIDを非表示/違反報告)
Makua*ぼっち - 完結おめでとうございます!更新ありがとうございました!!ああああ。尊いです。リクエストさせていただいた時、どんなお話になるのかな?と思って更新が楽しみでした。(?)そして今気づいたが一度も出てきてなくないな紘汰と舞ちゃん。でもこの話は戒斗中心!文字数が (2022年11月13日 19時) (レス) @page46 id: 5e3e454f6c (このIDを非表示/違反報告)
カテゴリーJ♢桜もち。 - Makua*ぼっちさん» コメントありがとうございます✨もしかしたら今日明日位には完結出来るかもです…!!! (2022年11月13日 15時) (レス) id: 5088013c29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*桜もち。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/9826skrmt/
作成日時:2022年10月8日 16時