駆紋家の妹ちゃん。 【仮面ライダー鎧武】【駆紋戒斗】

私のヒーロー。 ページ17

もう無理だ、そう思ったが。

光実「Aさん！！！」

『み、光実くん！？こっち来たら危ないよ！！！』

Aの方へと近付いて来る光実を、Aは制止しようとする。

だが光実はただ微笑んで、Aを怪物から守る様にして立ちはだかった。

【ブドウ！！】

光実は持っていた、ブドウを摸してあるアイテムを鳴らす。

それを彼が着けていたベルトに装填すると、電子音と共に、光実が変身した。

【ブドウアームズ！龍・砲・ハッハッハッ！】

『光実くん！？』

いきなりの変身に、Aは驚きを隠せない。

光実「Aさんは、下手に動かず待っていて下さい。僕が貴方を守ってみせます！！！」

光実はそう宣言すると、怪物へと立ち向かう。

Aはその様子を見ていたが、凄くカッコ良いと思った。

Aに攻撃が飛んで来ない様に工夫しているし、何より強い。

こんな風に、誰かに命を懸けて守られるのは初めてだった。

何だか胸がきゅん、と鳴いている。

高鳴る心臓を押さえながら、Aは戦う光実の姿を只管見つめていた。

やっと怪物は倒れた。

光実が勝った。

やった！とAが思った時。

【バナナアームズ！ナイトオブスピアー！！】

そんな電子音が聞こえて、Aと光実は同時にその音が聞こえて来た方を見る。

すると、黄色と赤を基調色とした戦士が、光実の方へと向かって来るのが見えた。

その戦士は、鋭く長い槍を振り回すと、光実へと攻撃を仕掛ける。

光実「ちょっと！！インベスは居なくなりました！！落ち着いて下さい！！」

光実が声を掛ける。

知り合いなのだろうか。

だが戦士は答える事も無く、光実への攻撃を続ける。

Aは立ち上がり、その戦士を横から突き飛ばした。

『何なんですか貴方！！さっきの怪物との仲間ですか！？ヒーローなのだとしたら、光実くんを傷付けないで！！』

Aは、座り込んだ光実を庇う様に立つ。

戦士が何処かへ行ったのを確認すると、Aは座り込み、光実は変身を解除した。

『ありがとう。守ってくれて。カッコ良かったよ』

光実「そうですか？えへへ………僕の方こそありがとうございます」

Aはお疲れ様、と言いながら彼の手に付いた血を拭う。

光実「Aさんの事、しっかり守れて………良かったです」

光実はそう言って、俯きながらAを抱き締めた。

第１回ライダー会議。→←バロンＶＳ鎧武。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す