9月弐 ページ6
9月 体育祭前日までのこと
とうとう体育祭の練習が始まった。
我が校では、ムカデ競走というものがある。なんというか…縦に並ぶ二人三脚のようなものだ。
俺の事情を知っている友達が学級委員を前期務めていたため、並びなどを決めるのに関わっていた。そこでそいつが気を利かせて俺と与田を前後にしてくれた。
最初の練習、ムカデをやる際には、なるべく前の人との隙間をなくして全員が前のめりになると早く進めるという技がある。
つまりは…そういう事だ。
ちゃんとした理由で与田に触れるのだ。さあ皆さん、誤解しないでくれ。俺はいたって健全な男子だ。
肩を触ると、与田はポニテなので髪が手にかかったりする。ポニテ萌えな俺は与田からは見えないことを利用し、それなりににやけてたのを覚えてる。
ちなみに与田が前で俺が後ろだ。ほかの男は後ろに女子がいて胸が当たるとか喜んでるけど、そんなん関係ない。触ることに意味がある。
話がそれたな。ムカデは最初そんな感じだった。だかうまくはいかんのさ。
戦闘は転ぶと後ろの人全員の体重がかかるようなものだからやりたいという人は少ない。だから、先頭のやつが膝をやってしまい、俺が前に行くことになった…。
楽しかったよ…与田…(泣)。
リレーは全く違う順番。さて、正攻法でカッコつけるしかなくなってきたな。
個人参加種目も違う。
俺は800mリレーに出たのに対し、与田は四人五脚。うん、もう気にしないよ。
体育祭で辛かったのはこのくらいだったと思う。
強いてあげるなら先頭になって、(ムカデは通常の点に三倍してクラスに加点されるので)失敗した時のプレッシャーで吐いたくらいだな。
そんな体育祭までの一つの話
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作者名：末期師匠 | 作成日時：2017年3月20日 22時
