都市伝説……7 ページ7
『……貴方の名前は、両面宿儺であってますか?』
「ああ。元々その名で呼ばれていたが、今は貴様がつけた名前通りだな。」
『……もし私がしまじろうと名付けてたら、』
「そこから先は言うことを赦さんぞ」
かなりきつめに凄まれたのでお口チャックします。
虎のぬいぐるみに乗り移った両面宿儺は、四つの赤い目でギラギラと睨んだ。
「次は俺の質問に答えろ小娘。」
『……A。』
「……ったく、A。これでいいだろ」
さっきまで殺しあってた仲なのに、名前で呼び合う仲に。
というのは軽い冗談のつもりだけれど、私を本気で殺そうとしているくせになんだか従順だし、大人しい。
宿儺がさっき言っていた、“ちょうふく”というのが関係あるのかも。
「お前は呪術師か。それとも呪詛師なのか。術師ならばよほどの血筋の者だろう?現視なんてのは聞いたことがないが。」
『……じゅじゅつし……』
「何だ小娘。……まさか呪術師のことも知らんのか!」
宿儺は呆れてため息をついた。
私も呪術師くらいはアニメなどの知識で名前だけ知っていた。
誰かに呪いをかける職業、みたいな認識だけれど。
『……呪術師は、誰かに呪いをかける人のこと?』
「戯け。逆だ。……まあよい、貴様がただの人間の小娘ということがよくわかった。」
逆……逆って何?
呪いをかけるのが呪術師……ではなく呪詛師ということ?
まあどちらにせよ、私には関係ありませんね。
「して、Aと言ったな。この呪いの王と呼ばれる両面宿儺を調伏させ、いったい何をするつもりだ?鏖殺か?」
『……物騒ですね……』
「貴様の方がよほど物騒だ。そも、このへんちくりんな儀式は何なのだ。この面妖な見てくれの呪骸に俺を宿すとは……ただの肉塊だけでは済まないところだ。運が良かったな」
たしかに、ひとりかくれんぼは手順通りにしないと極めて危険とサイトに書いてあったっけ。
それはそれとして、私は宿儺に聞かれた通り、ひとりかくれんぼについて説明をした。
「……なるほど。して、都市伝説とやらはなんだ」
『……口伝によって広まっていった、不可思議な噂話、だったと思います。ひとりかくれんぼやこっくりさん、くねくね、コトリバコ……色々ありますよ。』
出かけるときに一緒に持ち出した、都市伝説を集めた自由帳をぱらぱらとめくる。
思えばこのノート、全然使い切らない。
すると宿儺が驚きに満ちた声で叫んだ。
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莉無花(プロフ) - この作品とても好きなので気長に更新されるのを待ってます! (3月7日 23時) (レス) @page21 id: 719394875f (このIDを非表示/違反報告)
ボーダーライン(プロフ) - 特異な主人公…だがそれがいい。丁寧な口調と文章がよりおどろおどろしさを感じさせてグッときました。伏線や未だ明かされていない部分があるので気になりますね!続き気長にお待ちしています。 (2022年6月19日 22時) (レス) @page21 id: 6d6b1b008a (このIDを非表示/違反報告)
しらない - 某平安トリップ教育アニメ、カズマくんスタイルって何が元ネタ?調べても出てこない… (2021年12月1日 13時) (レス) @page17 id: ffdbbf39c1 (このIDを非表示/違反報告)
エドワールド(プロフ) - コトリバコとかも出したりしますか?もし出すとしたらイッポウ〜ハッカイまでのどれを出しますか? (2021年11月30日 19時) (レス) @page21 id: 47a0ed334c (このIDを非表示/違反報告)
しらない - 大好きな作品、続き楽しみ (2021年11月30日 18時) (レス) @page21 id: ffdbbf39c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黙秘権 | 作成日時:2021年6月11日 23時