都市伝説……5 ページ5
今から私は、ひとりかくれんぼをします。
ただ、少し違うのは、鬼になる人形に小箱の中身を入れること。
かなり危険な遊びだと思います。
なので、これを読んでいる人たちは、間違ってもひとりかくれんぼ、もしくはなんか変な異物を混入させたりしないように。
用意する物は、手足のあるぬいぐるみ、お米、縫い針、赤い糸、刃物、コップ一杯の食塩水。
手足のあるぬいぐるみは、誕生日に買ってもらった古びた虎のぬいぐるみ(あんまり好きじゃない)にした。
さっそくそのぬいぐるみのお腹を刃物で裂いて、中の
すこしおかしいよね、ぬいぐるみの中身は綿、ヒトの中身も
話がそれました。
中の綿を残らず抜き取り、代わりにお米を詰め、刃物で指を少し切って私の血と一緒に小箱の中身を詰めた。
中身は何と、指でした。
………なんで指???
まあいいです、今度は赤い糸で裂いたお腹を縫い合わせる。
『……貴方の名前は両面宿儺。』
虎の名前はあの指の名前と同じにした。
読めなかったけれど、似た漢字で検索をかけてみたらヒットして。
インターネットなんてわりと信用ならないのですが、名前なので何でもよかった。
……あ、ちょっと糸に血がついちゃった。
食塩水は私が隠れるところにしまっておき、いよいよかくれんぼが始まった。
『……最初の鬼はAだから。最初の鬼はAだから。最初の鬼は、Aだから。』
そう言い、浴室の水を張った風呂桶に虎のぬいぐるみもとい、両面宿儺を沈めた。
家じゅうの明かりを全て消し、テレビはアナログ放送に切り替えた。
砂嵐がザーっとなっているのを感じ、『いーち、にー……』と十まで数える。
『………じゅう。』
十まで数え終わったので、浴室へ行き、
『……両面宿儺、みーつけた。』
宿儺に刃物を突き立てた。
あれ、今虎の目、動いたかな……?
『……次の鬼は宿儺だから。次の鬼は宿儺だから。次の鬼は宿儺だから。』
刃物を宿儺の横に置いて、浴室を後にする。
『……十秒経ったら、見つけに来てくださいね。』
私は二階にある自分の部屋へ逃げ込んだ。
女の子らしいピンク色を基調としている子供部屋は、あまりに質素で殺風景かもしれない。
比較する相手がいないからよくわからないけれど、家の人はよくそう言っていた。
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莉無花(プロフ) - この作品とても好きなので気長に更新されるのを待ってます! (3月7日 23時) (レス) @page21 id: 719394875f (このIDを非表示/違反報告)
ボーダーライン(プロフ) - 特異な主人公…だがそれがいい。丁寧な口調と文章がよりおどろおどろしさを感じさせてグッときました。伏線や未だ明かされていない部分があるので気になりますね!続き気長にお待ちしています。 (2022年6月19日 22時) (レス) @page21 id: 6d6b1b008a (このIDを非表示/違反報告)
しらない - 某平安トリップ教育アニメ、カズマくんスタイルって何が元ネタ?調べても出てこない… (2021年12月1日 13時) (レス) @page17 id: ffdbbf39c1 (このIDを非表示/違反報告)
エドワールド(プロフ) - コトリバコとかも出したりしますか?もし出すとしたらイッポウ〜ハッカイまでのどれを出しますか? (2021年11月30日 19時) (レス) @page21 id: 47a0ed334c (このIDを非表示/違反報告)
しらない - 大好きな作品、続き楽しみ (2021年11月30日 18時) (レス) @page21 id: ffdbbf39c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黙秘権 | 作成日時:2021年6月11日 23時