続き ページ19
肩に乗っかっていた芋虫の口から刀のように刃渡りが長い得物を取り出す夏油さん。
これも百々目鬼で奪ってしまおうかと考えたけれど、どうやら百々目鬼は満足してしまったみたいだった。
仕方ないのであの子を呼び出します。
夏油さんの得物を振り下ろすのを受け止めたのは、焼け焦げた跡のある、青い目の人形。
外国製の軍服を身にまとい、銃剣を手に取り、頬には赤い涙痕が伝う人形。
戦前にアメリカから寄贈された人形なのだけれど、人々から忘れられて夜な夜な這い出てきては涙を流し孤独を嘆く悲しい子。
『……どうか、仲良くしてくださいね。』
その場を人形に任せて、私と宿儺はバイクに乗って逃走した。
もちろん私も宿儺もバイクなんて操縦できないので首の無いお友達にお願いした。
「殺さんのか?」
『……正直、どうでもいいので。あのお坊さんが生きていようと死んでいようと。』
「つまらんな。まぁ、面白いものを見られたから妥協してやろう」
*
「……どうやら、上手く逃げられてしまったね。」
善戦していた外国製の人形を真っ二つに切り捨て、夏油傑は苦笑いした。
追尾用にさりげなく付けていた呪霊も、さっきの目玉に消されてしまったので完全に行方が眩んでしまったのだった。
残穢を追えば……とも考えるが、彼女と思わしき残穢はどこにも残っておらず、更には逃走用に使用した呪霊らしきバイク乗りの残穢すら残っていない。
呪霊とは言っているが、Aの使役している都市伝説たちはどこか根本が違っていたのだから。
「興味深いが……保留にしておこう。呪いの王が大人しくしているのだから、少なからずあの子のことを気に入っているのかもしれない。下手に踏み入って、虎の尾を踏んでしまうのは避けないと。」
鳥の姿をした呪霊で、夏油傑が立ち去ってしまったので、今度こそ公園には人が居なくなった。
ただ、先程の抗争で“良くないもの”が溜まってしまったために、“人でないもの”がうろつき始めるわけだが――――……。
*
お久しぶりです。
気が早いので続編のトプ画描いてました。
それからファンアートのあれなんですが、いつの間にか作品が完結していて結局送れませんでした……。
通知……機能しろよ…………。
因みに更新が遅れてしまったのはもうひとつ理由がありまして……。
引越ししてWiFi環境がクソなのでパソコンが使えなくなってました。
言い訳ですね、ハイスミマセンデシタ
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莉無花(プロフ) - この作品とても好きなので気長に更新されるのを待ってます! (3月7日 23時) (レス) @page21 id: 719394875f (このIDを非表示/違反報告)
ボーダーライン(プロフ) - 特異な主人公…だがそれがいい。丁寧な口調と文章がよりおどろおどろしさを感じさせてグッときました。伏線や未だ明かされていない部分があるので気になりますね!続き気長にお待ちしています。 (2022年6月19日 22時) (レス) @page21 id: 6d6b1b008a (このIDを非表示/違反報告)
しらない - 某平安トリップ教育アニメ、カズマくんスタイルって何が元ネタ?調べても出てこない… (2021年12月1日 13時) (レス) @page17 id: ffdbbf39c1 (このIDを非表示/違反報告)
エドワールド(プロフ) - コトリバコとかも出したりしますか?もし出すとしたらイッポウ〜ハッカイまでのどれを出しますか? (2021年11月30日 19時) (レス) @page21 id: 47a0ed334c (このIDを非表示/違反報告)
しらない - 大好きな作品、続き楽しみ (2021年11月30日 18時) (レス) @page21 id: ffdbbf39c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黙秘権 | 作成日時:2021年6月11日 23時