都市伝説……11 ページ11
濡らしたタオルでぬいぐるみの面を拭いている最中に、宿儺が話しかけてきた。
今日のご飯について、かな?
『……お腹空いたんですか?』
「戯け。俺ではなくお前だ」
『……私、ですか。』
生憎空腹ではない、ですかね。
あまり食に頓着がないので、給食のない夜や朝は、よっぽどお腹が減らない限り食べていない。
「……さては、何も食べないでいる気か」
『……えぇ、まあ……』
「ならん。ちゃんと飯を食え。この俺でさえ空腹は不快すぎてたまらんというに……」
なんだかもごもごお小言を頂いてしまった。
お腹空いてないし、今日は町中歩き回ったから疲れて動きたくない。
宿儺の言葉を聞き流しながら布団の上でぐでっと寝そべっていると、思いっきりお腹を踏まれてしまった。
「起きろ鈍間。愚図。痴呆が」
『……寝ているだけでこんなに罵倒されるとは……』
「食事を蔑ろにする屑は不快だ。お前でなければ細切れにしていたところだ」
宿儺がここまで食事にうるさいとは思わなかったなー……
『……この家に食材はないですよ』
「畜生小屋の方がまだマトモだな。畜生以下」
『……宿儺の見てくれ……』
「黙れ。……無ければ調達してこい。真夜中なら呪霊がわんさか湧くのだろう?」
もしかして:呪霊を食べろと?
冗談にしてもブラックすぎません……?
いえ、でも、宿儺なら平気で言いますね、はい。
『……食べ物買ってきまーす……』
流石に呪霊を実食するのは嫌すぎるし、このまま寝ていたら口の中に呪霊ねじ込まれそうなので買い出しに行く。
ランドセルの中に忍ばせているお財布の中、私用のキャッシュカードと手提げかばんを持ち、ぬいぐるみである宿儺を抱えた。
実は背の順で前ならえのとき腰に手を当てる体制を取る私、ぬいぐるみと相まって実年齢から幼く見えるらしい。
……呪霊より警察に補導される方がなんか嫌だな……。
『……宿儺、もし知らないおじさんが私に話しかけてきたらパンチしてください』
「お前をか?」
『…………おじさんの方でお願いします。』
宿儺から舌打ちが聞こえました。
私をぶん殴る気満々だったのでしょう。
……洗濯機が直ったら、絶対洗濯してやるし、何なら乾燥機で乾かしてやる。
「何か変なこと考えてるだろ。顔に書いてあるぞ」
『……宿儺じゃないんですから、それはないです』
「絶対にお前は楽に殺してやらないから覚悟しておけ」
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莉無花(プロフ) - この作品とても好きなので気長に更新されるのを待ってます! (3月7日 23時) (レス) @page21 id: 719394875f (このIDを非表示/違反報告)
ボーダーライン(プロフ) - 特異な主人公…だがそれがいい。丁寧な口調と文章がよりおどろおどろしさを感じさせてグッときました。伏線や未だ明かされていない部分があるので気になりますね!続き気長にお待ちしています。 (2022年6月19日 22時) (レス) @page21 id: 6d6b1b008a (このIDを非表示/違反報告)
しらない - 某平安トリップ教育アニメ、カズマくんスタイルって何が元ネタ?調べても出てこない… (2021年12月1日 13時) (レス) @page17 id: ffdbbf39c1 (このIDを非表示/違反報告)
エドワールド(プロフ) - コトリバコとかも出したりしますか?もし出すとしたらイッポウ〜ハッカイまでのどれを出しますか? (2021年11月30日 19時) (レス) @page21 id: 47a0ed334c (このIDを非表示/違反報告)
しらない - 大好きな作品、続き楽しみ (2021年11月30日 18時) (レス) @page21 id: ffdbbf39c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黙秘権 | 作成日時:2021年6月11日 23時