都市伝説……1 ページ1
都市伝説。
街談巷説。
道聴塗説。
流言蜚語。
根拠のない噂話はどこの地域にもあり、同じ噂話でも、土地柄によって多少脚色される。
私は小学生に上がる前からその手の話が好きで、よく
小学生の私――といっても現在もですが――は、よく言えば控えめで大人しい子どもで、悪く言うとすれば“陰キャ”とカテゴライズされる側の人間。
しかし運が良いのか、私の学校、学年、学級に私のような陰キャをいじめて娯楽として消費する腐った人はおらず、ある程度平穏に過ごせていた。
ただ、今日は少し様子が違っていたみたいです。
所謂“陽キャ”とカテゴライズされる側の女の子たちが、どこか裏のある笑顔で私の元にやってきた。
「ねぇ、
「アタシたちもさぁ、そのーシンレイゲンショウ?ってゆーの?好きなんだよねぇ」
「このまえ××ちゃんのお兄さんたちがシンレースポットってとこ行って肝試ししてたよねー」
……はあ、めんどうくさいなあ。
頭の悪い会話にツキリと頭痛がした。
私が好きなのは幽霊や心霊現象なのではなく、嘘か本当かわからない、煙のような噂話なのです。
もし幽霊などがいたとして、興味本位や面白半分といった軽い気持ちで彼らの安寧の地を土足で踏み荒らす行為はいただけない。
物の価値を軽んじる彼女らが、私は嫌いでした。
「んでさぁ、現視さんに手伝ってほしーことがあってね、」
『……なんでしょう。』
「相変わらずカッタ。タメ口でいーのに」
『……。』
こうしてすぐに本題から逸れてしまうことも含めて嫌いです。
「知ってるっしょ?“こっくりさん”。それをアタシたちやりたくてさぁ〜」
「人数足りないし、現視さんそーゆーの好きでしょ」
「そーそー!詳しいってきいたからさ、一緒にやろーよ」
彼女らの言語を翻訳したらこうです。
〈あんたみたいな陰キャを、せっかくあたしたちのグループに誘ってやってるんだから感謝しなさいよね、雑魚〉
最初から私が断らないとわかってるうえでしている、ニセモノの会話。
あまりに傲慢、あまりに不遜。
遺憾の意です。
……しかし、こっくりさん、か……。
『……わかりました。今日の放課後でいいですか?』
私も気になってしまったので、参加することを伝えた。
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莉無花(プロフ) - この作品とても好きなので気長に更新されるのを待ってます! (3月7日 23時) (レス) @page21 id: 719394875f (このIDを非表示/違反報告)
ボーダーライン(プロフ) - 特異な主人公…だがそれがいい。丁寧な口調と文章がよりおどろおどろしさを感じさせてグッときました。伏線や未だ明かされていない部分があるので気になりますね!続き気長にお待ちしています。 (2022年6月19日 22時) (レス) @page21 id: 6d6b1b008a (このIDを非表示/違反報告)
しらない - 某平安トリップ教育アニメ、カズマくんスタイルって何が元ネタ?調べても出てこない… (2021年12月1日 13時) (レス) @page17 id: ffdbbf39c1 (このIDを非表示/違反報告)
エドワールド(プロフ) - コトリバコとかも出したりしますか?もし出すとしたらイッポウ〜ハッカイまでのどれを出しますか? (2021年11月30日 19時) (レス) @page21 id: 47a0ed334c (このIDを非表示/違反報告)
しらない - 大好きな作品、続き楽しみ (2021年11月30日 18時) (レス) @page21 id: ffdbbf39c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黙秘権 | 作成日時:2021年6月11日 23時