7,影が差す ページ7
高「それでは、本日はこれで。失礼します。」
『うん。また明日ね。』
相変わらず高順は堅いなぁ〜と言いながら手を振るAに一礼して帰路に着こうとする高順。
高「、、、そう言えば。明日はどのようなご予定ですか?」
『ん?んん〜〜〜、、、いつも通り。、、あ、阿多妃に呼ばれてるから、行く事にする。』
高「承知しました。」
とまた一礼して去っていく高順を、Aは不思議そうに見送った。
『変なの。』
高「特に不信な点は見当たりませんでした。」
帝「そうか。、、、、何だ、私も本気で娘を疑っている訳では無く、、、ゴニョゴニョ」
高「それは十分に理解しております。」
いつもはあんなに堂々としているのに、娘の事になると途端に頼り無くならないで欲しいと喝を入れたい高順だが、こんな
帝「しかし、、、まさかこんな叩き方をされるとは。私はてっきり、、、、」
帝「てっきり《幼いくせに皇女の美貌が眩しすぎて自分が霞んで見えるから目障りだと思った女官》あたりから何かされるのでは無いかと思ったのだが、、、、」
真剣な顔をしてとんでもない事を言う皇帝に若干引いている高順。
高「(この人親馬鹿も拗らせてるのか。)」
高「幸い、女官の方達からは可愛がられておりますよ。」
帝「そのようだなぁ、、、」
高「では一体誰から?」
高順が以前皇帝に見せてもらった警告状を思い出しながら、頭を捻る。
警告状は、このような内容であった。
《花を操り毒を注ぐ者あり。
主上の立場を揺るがす者あり。
即ち傾国を企む者なり。
其の者直ちに地位を捨て去り獄に入るべし。
其の者皇帝の傍に居られる。》
高「あの書を書いた人物は検討もつきませんが、、、あの書が示す《其の者》も、皇女様と決まった訳では無いのでは、、、?」
帝「確かにそうなのだが、、、腕の良い数多の文官や武官に、調べて回らせたのだ。」
帝「花に詳しい者など、そうは居らん。実際、書庫の出入りは位の高い一部の者にしか出来ぬし、位が高ければ高い程、仕事がある故、態々花について調べようなどと思うまい。」
書庫の花についての書物は、大半がAの為に各地から取り寄せた物らしい。
帝「、、、何より、蝋梅の事があっただろう。」
高「!!しかしそれは、、、」
帝「理解っている。」
此方が《其の者》を見つける方が先か、
《其の者》が国を傾ける方が先か。
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作者名:かんちゃん | 作成日時:2024年3月4日 0時