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三宅side



「ねぇ、付き合っちゃいけない3Bって知ってる?」


Aちゃんは、いきなりこんなことを言った。

まだ空を見上げたまんま。



「え?」


思わず聞き返した俺に、彼女は話を続ける。


「美容師、バーテンダー、バンドマン。この3つの頭文字のB。この職業の人達はモテるから危ないって」




すまし顔で言う彼女の隣で
胸の鼓動は早くなる。


そんな俺のことは知らず、彼女は口角を上げた。


「フフっ。いやね、もちろん職業で性格が決まるだなんて思ってないんだよ?
ただ面白おかしく、どこぞの誰かが言った言葉だろうしさ」


口角の上がった口元とは裏腹に、悲しい目をしている。



「ごめんね、変な話して。おやすみ、三宅くん」



それだけ言い残して、俺と目を合わせないまま立ち去ろうとした。




「ちょっと待ってよ。どこ行くつもりなの?」



「ファミレスか、ネットカフェか……24時間営業のどこかへお世話になろうかな」



「危ないって。女の子が夜に1人で歩くなんてさ」



「ありがとうね。いつも心配してくれて。でも今日は……もう疲れちゃったんだ」


俺に背中を向けたまんまのAちゃん。

声が震えてる。



「だったらうち来て。お客様用の布団とかないけど……綺麗にはしてるから」



華奢な肩が小刻みに揺れる。

何だかもう見てらんない。



「ねぇ」


ほっそりした手首は、掴んでみると想像以上に細かった。


振り向いた彼女は、俺と目が合うより先に


「えっ……?」


と、大きく開いた口を手で覆った。




彼女は気づいたんだろう。


俺の背中にいる、でっかい相棒・エレキベースに。

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設定タグ:三宅健 , V6 , ComingCentury,カミセン   
作品ジャンル:恋愛
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ヨ-リン(プロフ) - 西鶴さん» 西鶴さん、いつもありがとうございます。同じくです。ずっと音楽や映像を見て浸っています。 (2022年3月17日 23時) (レス) id: 3d151d95ac (このIDを非表示/違反報告)
西鶴(プロフ) - (元 藍琉)私も未だに未練タラタラでYou○ube ○usicで音楽聴いて、You○ubeで動画見て、CDを流しての繰り返しです。 (2022年3月12日 14時) (レス) @page18 id: 6dde35b37e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨーリン | 作成日時:2022年2月22日 23時

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