ライク キャラメル［K.M］

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それから数ヶ月が経って、
いよいよ来月にメジャーデビューを控えたある日のライブ。

相も変わらず、ステージ上の健は最高にかっこよかった。

出口に向かって人が流れていく中、
ロビーの端っこに立って、スマホの電源を入れる。

「ライブ終わったらすぐ連絡ちょうだいよ？」と彼から念を押されていたので、忘れないうちに。


「Aさんですか？」


スーツ姿の人に声をかけられて驚いた。


「えっ。はい」


「三宅のマネージャーです。こちらに来ていただけますか？」


「ええっと……」

名前を知られている事を怪しむ気持ちが、伝わってしまったか。

「よろしければそちらをご確認ください。本人からメッセージが入っているかと」

マネージャーを名乗る方は、丁寧に揃えた指で私のスマホをさした。





健Aもう外にいる?
うちのマネージャーがAを呼びに行くからね
本当は俺が呼びに行くつもりだったけど、出て行っちゃダメって言われた😭
どーしてもダメなんだって。
ケチな男だよね




「……あ、確認できました」


一通り読み終えてマネージャーさんの顔を見る。


「ケチ、とでも書いていましたか？」


さすがです、と言っていいんだろうか。

答えに困ってまごついていると、
「図星みたいですね」と笑っていた。


「お世話になっております」


マネージャーさんの後ろに続いて、"関係者以外立ち入り禁止"の看板の向こう側へ足を踏み入れた。

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