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その日の夕方。
ピンポーン、とお隣のチャイムを鳴らした。
「はぁい」という鼻にかかったその声は、いつもより気だるげ。
「Aです。あっ、お忙しかったらまた出直します!」
もしかして眠っていたかな、と今更になって焦っても、
彼は既に返事してくれたワケだからもう遅い。
そんな後悔をしていたら、勢いよく扉が開いた。
「ごめんなさい。あの、もしかして寝てた……?」
彼は静かに首を振って、
「もう来てくんないかと思ったじゃん」
と言い、眉尻を下げた切ない顔をする。
「本当にごめんなさい。長引いて遅くなっちゃった」
顔の前で手を合わせると、
すかさず私の手首を掴んで、彼が言う。
「何これ。どうしたの?」
よく細かなことに気がつく人だ。
右手の親指と人差し指に適当に貼った絆創膏を、三宅くんは凝視している。
「えーっと。どこから説明しようかな」
「ちゃんと最初からして」
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ヨ-リン(プロフ) - 西鶴さん» 西鶴さん、いつもありがとうございます。同じくです。ずっと音楽や映像を見て浸っています。 (2022年3月17日 23時) (レス) id: 3d151d95ac (このIDを非表示/違反報告)
西鶴(プロフ) - (元 藍琉)私も未だに未練タラタラでYou○ube ○usicで音楽聴いて、You○ubeで動画見て、CDを流しての繰り返しです。 (2022年3月12日 14時) (レス) @page18 id: 6dde35b37e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨーリン | 作成日時:2022年2月22日 23時