【ツイステ】NRC警備隊【本編】 (ページ12)

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ベリル・キングスカラー/チェシャページ12

「主が困ってるんだミー!!早く行くんだミー!!」
「うるさいですね…。そんなこと分かってます。」

シベリアに預けられた彼の使い魔が走れ走れと追い立ててくる。確かにソルトの言うことは正しく、彼女の使用魔法は水。今回の服用者(ターゲット)にふさわしい魔法である。

「購買前でなんて、物騒な世の中ね…。」
「どーでもいいんだミー!!早く行くんだミー!!」
「はいはい、参加しますよ…。」

本来ならばこの時間は植物園で寝ているか、自室にこもって寝ているかのどちらかの時間、貴重な睡眠時間を削ってまで服用者を救う義理はないのだが、レオナに危害が及ぶのは困る。

「シベリア、連れてきたわよ。」
「ベリル…!!…よし、ソルト行くぞ。」
「もちろんだミー!!」

ここまでくればきっとここにいるメンバーで倒してくれる気がする。私がいる必要はたぶんないと思うのだが、応戦したほうがいいのだろうか。

「ベリル、聞こえる??」
「あらあら、クレア直々とは珍しいわね。」
「無駄話はいらない。応戦して。」

あー、寝たいのにな…。レオナが植物園で待ってるんだけどな…、と考えながら静かに銃を構える。貫通しないように接触したときに衝撃は与えるが貫通はしないような魔法をかけておく。

どうやらすでに足は骨折しているみたいだし、ジョーカーさんのユニーク魔法で隙は充分。あとは保険医が来て解毒薬(スパイス)を打ち込むのみなのだが…。

「保険医が足りない、ってわけね。」

解毒薬(スパイス)を持っている隊員は限られているし、場所も悪い。セレナも来ていないのでおおよそ到着の遅れが各自に起きているのだろう。

ここは前からいたわけではないから向こうが警戒していない私が打つべき。

「すぐ楽にしてあげますわ…。」

外面の上品な自分の仮面に静かに燃える戦闘心を隠しながら彼の腕目掛けて銃をぶっ放した。

「さっさと正気に戻りなさい!!」