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「おい。本当なのか？返事をしなさいA！」
マイクを通して、田中の声が響く。小さく、クラスメイトの笑い声が聞こえる。
「...はい。」
「やっと返事したか。お前な。目上の人間である俺が呼んでやってるんだ。さっさと返事しろよ！
これだから失敗作は...」
「…………すみません。」
「お前はほんとに価値が無いやつだな。迷惑だ。
こうやって始末しなきゃいけない担任の気持ちも考えたらどうだ？面倒だから死んでしまえよ。」
教師としてあるまじき発言。
バスガイドや運転手がなにか言うかと思ったA
だがこのバスを呼んだのは学校だということを思い出し、意味がないと悟る。
「そうだそうだー！！」
「Aなんかいなくなっちゃえばいいのよ」
ﾐﾅ「ね...ねぇ待ってよみんなそういうこと言うのは
よそう？」
ミナ以外の全員がAに死ねという言葉を連呼する。それを聞くたびに、Aの怒りが限界に近づいていく。
11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1.......
プツン。
A中で、何かがブチ切れた。
繋がっていたものが千切れた。そして、走行中のバスの中を、シートベルトを外して、前へ歩く。
ｸﾗｽﾒｰﾄ「あいつ何やってんの？」
ｸﾗｽﾒｰﾄ「さぁ？ほんとに死のうとしてるんじゃない？」
ｸﾗｽﾒｰﾄ「かもねーあははw」
女子達の笑い声がうるさい。今すぐ壊したい。
そんな気持ちがAを突き動かす。
ミナ「…………A？」
途中、心配そうな顔でAを見上げるミナが、Aの手を掴んだ。
ミナ「何する気？」
ミナは、本気で心配した顔で、Aに対して質問をする。まっすぐとAの目を見て。その眼差しにAは、
「…………ごめん、ミナ」
「？」
そう、呟くとAは1歩ずつ前に進んだ。
Aの言葉に首を傾げたミナだったが、Aが見ている方向と手に持つものに気が付き一気に顔を青ざめて、
ミナ「駄目！！A、それは絶対駄目！！」
「…………もう、いいの」
「あ…」
Aは微笑みながらゆっくりとミナの手を振りほどいた。
Aはその時涙を流していた。
ミナは自分の事を考えて駄目だと言ったという事もあるが、それ以上にAの心配をしていた。
そのことに快斗は気づいている。
だからこそ、涙を流し悲しんでいるのだ。
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作者名：Yourstory | 作成日時：2020年10月16日 13時
