Give and take【ワイルドスピード Tokyo Drift】

28 ページ30

･


その日はとても良く晴れた快晴の日だった。



寝室の天窓から朝日が入りAは目を覚ます。




A｢……んっ……。｣





目を開けると目の前には
愛しいハンが気持ち良さそうに眠っていた。





A｢…っふふっ……｣




ハンの髪を指ですくい
サラサラとそれを解いてく。




それでも起きないハンにAは
まじまじと顔を見つめた。




ハ｢……んっ………A……｣




すると眠ってる筈のハンが
名前を呼び腕を伸ばし抱き着いてくる。




A｢…ハン?｣



ハ｢………｣



名前を呼んでも
気持ち良さそうな寝息を立てるハンを見て
自然と口元が緩み目を細めるA。




A｢幸せだ…。｣





ただ目の前に彼が居るだけで





ただ目の前の彼が安心して寝ている姿だけで





Aの心は満ち溢れていった。





そんなハンの額にキスをして
Aはシャツを羽織って布団を出る。






A(今日はハンの好きな
ハムエッグとフレンチトーストにしよう)





そう思いながらキッチンへ向かい
コーヒーメーカーの電源を入れた。





きっとこんな生活ももう少しで終わり。
またファミリー達と忙しい日々を送るんだろう。





そう思うと今この時間を噛み締めなければと
Aは思い朝食の準備をする。






ハ｢……起きたら君が居なかった……｣




A｢んっ……おはようハン。｣




ハ｢……はよ……｣





キッチンに立つAの後ろから
にゅるっと腕を通し抱きしめたハン。






掠れた声に愛しさが込み上げ
Aはまた微笑んだ。







･

29→←27

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す