恋つづ『いつか貴方のブーゲンビリアになれるのなら』第三章

キミノカケラ ページ29

天堂先生へ。





いや…あのー…。
これ…見てられるんですね…?




あれ?
ちょっとどうしましょ？？？



これを見てるという事は
私になんかあったんですね!?



そんなつもり全然無かったんですけどね〜…。
お付き合いして秒でこれとは…情けないです。





えーっと。そうですね…。





天堂先生。大好きです。
きっと｢知ってる。｣とか言うかもしれませんが
先生はきっと何も分かってない。




私は天堂先生の事を8年前から好きだったんですよ?
気付いていらっしゃいました?




きっと気付いてないですよね〜。
天堂先生は姉さんにゾッコンでしたもんね。





でも。そんな天堂先生が好きでした。
ずっとずっと…大好きでした。





私はずっと報われない片思いをして
先生の瞳には私が写らなくて
それでも私は天堂先生の事が好きでした。





でもそんな気持ちも辛くなる時もありました。





姉さんに申し訳なくて
胸を張って医者であると思えなくなる時




まるで何かを盗む泥棒のような気持ちになる時




自分の全てが汚く思える時





沢山沢山ありました。





それでも私は貴方を諦められなかった。




私には貴方しか見れなかった。




そしていつか天堂先生の瞳にも心にも
私しか写らなくなればいいと思った。





加速する思いと現実がおぼつかなくて
胸が張り裂ける程に痛かった。





けれど先生?
私はそれでも狂おしい程に貴方が好きです。






姉さんを失って心を閉ざして
仕事に打ち込む先生を私は救いたかった。





また前みたいに笑って欲しいと願った。






だから先生。




どうか…どうか…どうか。
私が居なくなったとしても




生きる事を諦めないで。








私は天堂先生の笑った顔が好きだから。



私は天堂先生の優しい心が大好きだから。



どうかその笑顔を私なんかの為に亡くさないで。







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