コードブルー『生きてこそ輝く命』５

フライト１８０ ページ31

Aside




寒くて冷たくて光の無い
まるで海の底に沈んでいく気持ちだった



息を吸いたくても
海面に出る事は出来ない程



背中が下へ下へと吸い込まれて
疲れて何もかも捨てたい気持ちだった









.







A「……ｯ…けれどね………






途端に…
…背中に…温もりを感じたの…ｯ……









…ｯ皆が……







大好きなｯ…皆が……
私の…ｯ……背中を押し上げて…





…私をｯｯ……
救い出してくれたのｯ!!」









両目から溢れる涙を
頬に感じながら





吸い込まれる程
意識が遠のいていくのを
必死に抑えて言葉を紡ぐ









A「…ｯｸｯ……ｯだからｯ………



…だからｯ…………









.









…助けて…ｯｸ……くれて………



…ｯ本当に……ｯ…本当に……







ありがとうｯｯｯｯ!!!







.









皆が諦めないでｯ…くれたからｯ……




今私は…ｯここで…
…涙を流せてるｯ………









皆が居なかったら…私ｯ……


…生きる事をｯ……諦めてたｯ……






1番大切な事ｯ……
…諦めようとしてたｯ!!」









腕で目を隠し
溢れる涙を押さえ込んでいたら









『ぎゅっ』と
温かな温もりを体に感じた




.









.









緋「……ｯ…お帰りなさい……。｣









.









.









A「……ぅ…ん……」









.









緋山先生の
温かな優しさに安心して









この前とは違う









優しい真綿に包まれる優しい気持ちで









落ちる意識を手放した









.









.









雨は止み









黒い雲が晴れ









1週間ぶりの太陽が









濡れたアスファルトを









優しく照らしていた









.

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