10 休息 ページ10
「もう最終日ですねぇ」
「あぁ」
二人それぞれのプレートを6点分取りきり、タイムアップまでキルアとAは川辺で寛いでいた。サラサラと風に揺れるミルクティー色の髪をキルアが見つめる。
「ここを出たら、シャワー浴びれますかね」
そう言いながらAの薄い色素の瞳がこちらを向く。「わかんねー」なんて言ってキルアは草むらに寝転がると隣のAも寝転がってこちらを向いた。
「坊っちゃま、いいんですか？お家に帰って」
急にそんなこと聞くものだからキルアは少し驚き目を見開いた。なんでも見透かしてくるようなAに、少し動揺する。
本音を言えば、このままゴン達と一緒にいたい。しかし、帰って来いとの司令が出たならば帰らなければならない。キルアの脳内にはイルミの顔が浮かぶ。しかも帰らなければ責任を負うのはこのメイドである。そんなことを思いながらキルアはそっぽを向いて「別にいいんだよ」と言った。するとAはガバリと起き上がってキルアの頭を掴んだ。
「っ何すーーー」
「本当にいいんですか？」
メイドの至極真剣な顔にキルアは固まる。
「坊っちゃまが本当に欲しいものは、そう簡単に諦められるものなんですか？」
「っそりゃ俺だってーーーーッ」
目の前のAの顔を見てキルアは固まる。キルアを見つめるAの表情は悔しそうな、悲しそうな、何か言いたいことがあってそれを堪えているような、そんな表情だったからだ。
ーーーなんて顔してやがる
「っ･････････」
するとAは口元に微笑みを湛え、キルアを掴んでいた手を額に移動させた。キルアはフワリと額を撫でられ、少し照れくさくなって目を伏せた。
それから最終試験を迎える飛行船内でキルアが思い起こしていたのはあのAの表情だった。
続く (更新停止中)
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chain.(プロフ) - 七面鳥ぱんさん» 七面鳥ぱんさん！好きと言って頂いてありがとうございます😭✨全然更新できてなくてすみません💦 (2022年6月27日 20時) (
レス) id: 8c2c14010e (このIDを非表示/違反報告)
七面鳥ぱん(プロフ) - めちゃ好きです (2022年6月19日 2時) (レス) @page10 id: 54cc13708a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chain. | 作成日時：2022年5月7日 18時
