２ 味方 ページ2
夜の７時。キルアはシルバの稽古から帰ってくるとベッドに突っ伏していた。昨日今日と暗殺の仕事があり、帰ったらメイドのAと遊ぼうと思っていたのに、そのメイドにまんまと嵌められたキルアは拗ねて頬を膨らませていた。
「なんだよアイツ･･･こないだ一緒に遊んだくせに、親父の味方かよ」
シーツからふわりと石鹸のいい匂いがして思わずキルアは布団に顔を埋める。暫くそのままでいると、コンコンとノックが鳴り響いた。
「坊っちゃま、Aです。夕食のお時間でございます」
Aという名前に反応し嬉しさにキルアはガバッと布団から起き上がる。しかし、昼間は父親と結託していたため信用できるものかはわからない。キルアは足音を消してドアに近寄るとそっと扉を開けた。扉の先には自分より背の高いAの姿があり、彼女はそっとキルアに合わせて屈むと、ポケットからそっと袋を取り出した。
「っA･･･！お前･･･！」
Aがポケットから取り出したのはキルアの大好きなチョコロボくん。キルアは静かに受け取ると自身のポケットにしまう。やっぱり、Aは自分の味方だと確信した。「さすがAだ！」そう言おうとして、Aに人差し指を口に添えられ、黙らされる。２つに結われた柔らかなミルクティーの髪が垂れ下がり、キルアの頬をくすぐった。
「･･･坊っちゃま専用のお菓子倉庫から、内緒で取って来ました」
要は隠し持っておけということである。こっそりとキルアに耳打ちすると、Aは静かにキルアから離れた。ふわりとシーツと同じ石鹸の香りがしてキルアはAを見上げる。
「さ、キルア様。夕食の時間ですよ」
Aはニコリと笑うと、ドアを支え、キルアをダイニングへと連れて行った。
「奥様、旦那様。ーーミルキ様。大変お待たせいたしました」
Aは美しい所作でペコリとお辞儀をするとキキョウは扇子を口元に当て、上品に笑った。
「オホホ･･･A、今日もキルをありがとうね。扱いが上手いのは貴女だけよ･･･これからもキルのお世話、よろしくね。立派な暗殺者に育てて頂戴」
「かしこまりました、奥様」
Aはペコリとお辞儀をすると扉の傍に控える。キルアはミルキの向かいに座る。今日はイルミとカルトは仕事でいないらしい。ミルキはニヤニヤと笑いながら「お前のメイド、かわいくていいよなぁ」と言うと、シルバは「ミルキ。静かに食べろ」と告げた。
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chain.(プロフ) - 七面鳥ぱんさん» 七面鳥ぱんさん！好きと言って頂いてありがとうございます😭✨全然更新できてなくてすみません💦 (2022年6月27日 20時) (
レス) id: 8c2c14010e (このIDを非表示/違反報告)
七面鳥ぱん(プロフ) - めちゃ好きです (2022年6月19日 2時) (レス) @page10 id: 54cc13708a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chain. | 作成日時：2022年5月7日 18時
